内容説明
ぼくはびょうきで歩けなくなり、ずっとベッドですごしていた。するとある日の夕ぐれ、まどをたたく音がして、小さなふしぎなおじさんが、へやに入ってきた。「きみ、夕あかりの国へいってみたいだろう?」ぼくたちはいっしょに空をとんで…?「子どもの本の女王」リンドグレーンの優しく、不思議な物語に、スウェーデンの人気画家が絵をそえた、うつくしい絵本です。5歳から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
71
ああ、優しいお話。病気で歩けなくなった小さな男の子の部屋の窓に、不思議なおじさんが現れます。おじさんといっしょに空を飛んで、「夕あかりの国」へ……。少しぼやかした筆致の挿絵がとてもいい。「夕あかりの国」の正体はあまり考えないほうがいいのかな。静かな癒しの物語です。2019/07/23
けんとまん1007
54
こんな国、こんな時間があったなら、どれだけ救われるだろう・・・。御伽噺の世界ではあっても、それを超えたものを感じ取れる。人は、少しの希望、少しの夢、それをみる少しの時間があるだけで、どれだけ救われるか想像できない。こんな優しいものがたりを描きたい。2023/06/08
ぶんこ
45
今回借りてきた最後の絵本。もう歩く事が出来ないと知った日、少年の元に「夕あかりの国」の人が現れます。夕あかりは人をしんみりさせる力があると思っていて、好きな時間でう。その国では何でも出来るという発想が素晴らしい。リンドグリーンさんらしい絵本。夕景の中を空を飛ぶ!想像するだけで羨ましくてたまりません。自分の住んでる町を、夕あかりの中空から見られるなんて最高。2019/08/07
ちえ
41
作者は「長くつ下のピッピ」「やかまし村」のリンドグレーン。この話は岩波の『親指こぞうニルス・カールソン』の中に「うすあかりの国」という名前で入っているので話は知っていた。「もう歩けるようにならないみたい」と両親が話をしているのを聞いてしまった僕。そこに現れた夕明かりの国の住人リリョンクバストさん。夕暮れのストックホルムの町の絵が美しくも彼岸此岸二つの世界のあわいのような怖さもあり心の奥底にふっと触れられるような。寂しさを感じるリンドグレーンの本も子供の頃とても好きだった、と思い出す。2023/05/28
小夜風
29
【図書館】病気で歩けなくなったヨーランは毎日夕暮れになるとリリョンクバストさんと一緒に空を飛んで「夕あかりの国」へ行きます。そこでは何でも出来るヨーラン。空想の世界では何だって平気…ということかな~。何となく「銀河鉄道の夜」のような雰囲気で、切なくなります。2014/11/17