内容説明
昭和八年師走。軍港・東舞鶴から、北東へ数キロのところにある、小さな集落・馬耳村。港に一人の男の死体が上がる。他所者のその男の顔は、輪郭が捻じ曲がり、左の目がつぶれて、村で言い伝えられている恐ろしい祟り神・砥笥貢神とそっくりだった。ちょうどその頃、検察本部の視察調査で、ふたりの検事がやって来た。京都地方裁判所検事・桂万治と、最高裁判所検事で「総長のプリンス」と呼ばれる若き天才・朱雀十五だ。軍港の監察長官・林田邦夫の息子、慎吾少年は朱雀の恐ろしいほどに冷たく美しい姿を見て、不穏なものを感じる。そして、彼らがやってきてからというもの、放火、殺人と小さな村で次々に奇怪な事件が起こる。それは祟り神による呪いなのか。それとも祟り神の化身・朱雀の仕業か…?書下し長篇新本格推理。
著者等紹介
藤木稟[フジキリン]
大阪府出身。1998年『陀吉尼の紡ぐ糸』でデビュー。ミステリー、伝奇、ホラー、SF、児童書など幅広いジャンルで活躍する。「バチカン奇跡調査官」シリーズ、「朱雀十五」シリーズ、「陰陽師 鬼一法眼」シリーズなど著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuna Ioki☆
49
1530-226-3 ☆メイ探偵祭№13☆ 朱雀十五シリーズ第九弾。番外編の「上海幻夜」の続き。朱雀がなぜ視力を失ったのかがわかる結末。今回は朱雀自ら行動することに。後に(と言っても第一弾w)朱雀の相棒になる人物との出会いやらあってなかなか楽しめた。京極堂シリーズを意識しまくり感はありあり(笑)2016/07/02
藤月はな(灯れ松明の火)
13
まだ、目が見えていた頃の朱雀さんのとある人物の出会いと別れが描かれています。自分の性格のために疑われる朱雀さんが犯人かと疑われるなんて・・・・T^Tいい人なのに!!盲目になった理由も遣る瀬無かったです。しかし、素晴らしい能力があるにも関わらず、孤独であった後木さんが自分のことを理解してくれる存在に出会えて本当に良かったですし、時流に逆らい、多くの人々を助けようとする姿に胸を打たれました。そしてカバーイラストは「若様組、参る」や「小説以外」のカバーイラストで御馴染みの丹地陽子さんで吃驚しました。2011/04/07
マーチング
5
後木さんって朱雀さんより年下だったのか、というところに一番衝撃を受けた。前作までに表記があったのかもしれないけど、全然覚えてないや。美鈴さんはなんとなくそうかな?って思ってたけど、まさかなーって思ってたらやっぱりそうだった。朱雀さんに一目置かれてる桂さんって十分すごい人だよね。今後も登場されるのかな…?2014/06/08
はるい
2
検事時代の朱雀。いろいろと謎だったことが語られていて、シリーズで読んできた面白さが味わえる。事件の無理繰り感は相変わらず。2014/04/29
雫めろん
2
朱雀って日中ハーフなんですけど、明らかに中国寄りなんですよね。なんかそのあたりが読んでてモヤモヤするんですよ。 朱雀がまだ目が見えている頃の話で、活動的に推理してたので、そこは面白かったけど、また結局偏った政治や国家がらみの話につながったし・・・ 犯人とか神の仕掛けとか謎の美女みたいな人と朱雀の関係性とか、すぐわかるので割と簡単なお話です。朱雀が薀蓄語るところでページを使うから長くなってるけど。2013/01/02