内容説明
真名瀬舞が大頭の屋敷に呼ばれたのは、桂木湖舟の抹殺のためだった。中頭の近江秋水は冷徹に言い放った。が、怨霊との死闘で焼かれた顔を覆った朱色の布から覗く灰色の目は深い憂いに満ちている。陰陽師湖舟はかつて舞とともに怨霊を狩った仲間だった。しかも、焼けただれた金剛六角棒を残し、死んだはずだった。だが、大日女の御神託によると、湖舟は阿波の地で生きているというのだ。一度、怨霊師、陰陽師となった者が掟を破った場合、その者は転びといわれ、己の死をもって償わねばならない。そして、数日後。北麿と舞は不気味な暗雲に覆われる怨霊島を望む波打ち際に立っていた。日本の霊異を余すことなく描く読み切り超伝奇書下し。
著者等紹介
千秋寺亰介[センシュウジキョウスケ]
『怨霊記』本編にて大変な人気を誇るカルト伝奇作家
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