内容説明
公刊戦史に「日本陸軍の反攻米本国軍との最初の戦闘は、このように不幸悲惨のうちに終り、ガ島奪回の夢は文字通り一朝にして破れた」と記されるガダルカナル戦。ガダルカナル以後、戦局は一気に敗色が濃厚となる。本書は広島五師団より、飛行場造営の為、東部ニューギニアに派遣された“南東派遣部隊”の人間の記録である。無謀な作戦にかり立てられた兵士たちの公の戦史とは違うもう一つの戦史。
目次
第1部 ガダルカナル島の激闘(甘かった大本営の判断;圧倒的な日米両軍補給力の差)
第2部 ニューギニア派遣部隊(密林の中で病気との戦い;守勢一方の日本軍;泥沼の消耗戦)
第3部 太平洋放浪部隊(死のサラワケット越え;一路原隊へ)
感想・レビュー
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yuji
3
ガ島へ上陸した米軍により飛行場を占拠され奪回するための戦いから日本の敗走が始まった。ソロモン沖海戦で勝利するも補給線を断つ本来の目的を達成せずに帰還。逐次投入するも補給が続かず戦線を後退させていく。戦場はガ島からニューギニアへ。輸送船を断つ攻防から米軍が編み出した反跳爆撃が後の特攻へ発展するとは。本書は本体から離れて派遣された小隊の生き残り証言をもとにした記録である。敗退での高山サワラケット超えはインパールに匹敵する死の街道と化した。生き残った小隊は原隊に戻るにも小隊ゆえに輸送都合がつかず数か月を要した。2022/07/17
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