内容説明
日本語の源流は、いまだ明確ではない。世界の言語の孤児ともいえる。これまでにも数多くの論が唱えられ、最近ではタミル語との関連も喧伝された。だが、単に個々の単語の類似等に基づく推論は、古代日本語形成を探る科学的方法論たりうるのか?著者は、膨大な単語の中から最も変化しにくい基礎語彙二百を抽出、アジア諸方言との音韻的比較を試み、古代日本国家の形成をも展望している力作論稿。
目次
序章 なぜコンピュータなのか
第1章 科学的に起源を探る―言語比較の基礎
第2章 日本語の単語の中核―基礎語彙
第3章 日本語と諸言語の距離をはかる
第4章 日本語成立に寄与した諸言語
第5章 日本語はいかに形成されたか
付章 統計的方法の発展―なぜ「2項検定法」を用いたか