内容説明
日頃なにげなく使っている漢字だが、そもそものいわれを尋ねると謎だらけ。道しるべがないと奇説珍説が横行して人を誤ると、中国語学の泰斗が、まずは漢字の成立から説き起こし、次いでそれが日本へ入るいきさつに光を当て、やがて喧しい文字改革へ鋭い批判のメスを加える。「漢字と漢語の素性」談義は、まずこの一冊から。科学的にして、ピリリとワサビがきき、それでいて楽しめる一級の漢字常識学。
目次
第1編 漢字のなりたち(漢字はいつごろ作られたか;象形文字の面白さ;指事文字の知恵;会意文字のユーモア;形声文字と単語家族)
第2編 日本語と漢語(日本語の素性;古代の日本と朝鮮;東へ旅した漢語;呉音、漢音と唐宋音;日本語に生きる漢語;和訳された漢語)
第3編 漢字と言語政策(字体の問題;字音かなの変遷;当用漢字の問題)