内容説明
〈私〉のライセンスが再交付された。とたんに父親捜しの依頼が舞い込んできた。恋人ケリーとのよりも戻ったし、幸先のよいスタートだった。ところが、〈私〉はとんでもない殺人事件に巻きこまれたらしい。浮浪者になって行方不明だった依頼人の父は殺され、妹も姿を消してしまった。もと砂金の町、オロビルを舞台に十五年前の殺人事件が暴きだされ、新たな殺人劇が…。好調、“名無しの探偵”シリーズ最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
6
名無しの探偵第9作目。今回は浮浪者となった父を探してほしいとの依頼を受けて探偵が動く。「浮浪者」については英米ともに色々な単語が概念区別されて存在する。幸い訳者の解説があるが、それでもどうにも困るのが日本語(或いは日本社会)に無い本作の「浮浪者」概念である。さてこの探偵、ここは警察に任せれば良いと思う場面でつい踏み込んで大怪我をするといういつものパターンだ。中途で一段落あってどうするのかと考えたが思いがけぬ展開が待っていた。それで何とか私にも折り合いがついた。2020/02/26