内容説明
大和郡山の荒木又右衛門のもとを、義弟の渡部数馬が訪った。仇討の助勢依頼であった。さる寛永7年7月、数馬の弟で岡山藩主・池田忠雄の寵童・源太夫が同藩士・河合又五郎に殺害され、これがもとの騒動で池田家は鳥取へ転封。藩主は失意の床で“三十一万五千石にかえても又五郎の首を”と遺言したというのだが、皮肉にも又右衛門が尊敬する同じ郡山藩の河合甚左衛門は又五郎の叔父であった…。名作時代小説。
大和郡山の荒木又右衛門のもとを、義弟の渡部数馬が訪った。仇討の助勢依頼であった。さる寛永7年7月、数馬の弟で岡山藩主・池田忠雄の寵童・源太夫が同藩士・河合又五郎に殺害され、これがもとの騒動で池田家は鳥取へ転封。藩主は失意の床で“三十一万五千石にかえても又五郎の首を”と遺言したというのだが、皮肉にも又右衛門が尊敬する同じ郡山藩の河合甚左衛門は又五郎の叔父であった…。名作時代小説。