内容説明
古代中国の戦国時代は、世に有名な合従連衡策で知られる、変転きわまりない外交の時代でもあった。説客こそ、この時代に、自由な遊説の旅を経て力を蓄え、諸国におのれを売込み、やがて主と時を得て外交舞台に活躍する“外交官”であった。2千年を超えて今に名を伝える張儀、蘇秦、淳于〓、藺相如、茫雎、呂不韋、呉起、孫〓、田単ら“名外交官”のバランス・オブ・パワー操縦術の精華を、明らかにする。
目次
合従連衡と説客たち
張儀―連衡策の実現に奔走した大物策士
蘇秦―合従論を代表する一方の旗頭
淳于〓―機知あふれる曲線的な交渉術
藺相如―強国秦を相手に堂々の外交交渉
茫雎―「遠交近攻」を推進した辣腕宰相
呂不韋―商人から宰相となった先物買いの名人
呉起―「モーレツ人間」の栄光と悲惨
孫〓―中国流兵法のもう1人の始祖
田単―斉を滅亡から救った兵法巧者の将軍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
7
86年徳間文庫。単行本は78年産能短大出版部。著者は中国古典を基にしたビジネス書を多く著している。実は『孫子・戦略・クラウゼウィッツ』(日経ビジネス文庫)なる本を読んだ際に著者=守屋淳の経歴を調べたら…父君の方が著作が多く…珍しい父子鷹だなぁという認識はあった。本書は“説客”の“列伝”という珍しい仕立てのため、古書店で即買い。“列伝”は私の大好物なのだ。それこそ“列伝形式”は『史記』以来の伝統スタイルな訳で…著者もその魅力に囚われ当タイトルとしたが、実は単行本時は編集者に反対され別タイトルだったと。2017/04/13
委員長
0
中国の戦国時代における説客の活躍や逸話を描いた作品。武将ものとは違った魅力をたっぷりと味わえました。あとがきもユーモアがあって楽しめましたね 2018/12/20