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対談 「ちゃんとした映画を作るには…」―黒沢明・宮崎駿(“こだわる”ことから始まる;スクリーンの裏側で;監督の不安と楽しみ;絵コンテはひょいひょいと;映画会社と戦った『七人の侍』;「時代劇をやってみたいんです」)
対談を終えて 「思いを曲げずに、歩き続けている人」(宮崎駿)
付 『七人の侍』のしごと(広沢栄)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
21
国民的映画作家ふたりの対談、といいつつ、ここまで何も起きない対話も珍しい。ビートたけし×黒澤明はめちゃくちゃ面白かったのに。対談後の単独インタビューで、鬱憤を晴らすようにとげとげしい宮崎駿。2022/03/19
大泉宗一郎
9
黒澤明×宮崎駿、伝説の映画監督2人による対談。敬愛する2人が何を語り合うのかと思えば、物語や今後の映画界についてではなく、映画の小セットや小道具について。しかも実に楽しそうに語る。「神は細部に宿る」と言うけど、呆れるほど細かいところまで追求し、大切にする2人が「巨匠」と呼ばれる所以はたぶんここにあるのだろう。重厚な作品は、テーマや物語ではなくディテールの集積によって立ち昇るリアリズムがもたらしてくれる。初対面で、特に宮さんは緊張していただろうに、「細部」について肝胆相照らす二人の会話を読むとそう思う。2019/07/24
ヒデキ
6
宮崎駿監督と黒澤明監督の対談です。今からおよそ20年前です。お二人の話が盛り上がるのは、小道具やセット、ロケ地のお話です。こだわりがあるから、それを実現するために完璧主義になっていくんですね。宮崎監督のアニメーションへの思いがひしひしと伝わってくるのが、素敵でした2020/04/26
もくもく
6
黒澤明と宮崎駿が映画について対談した一冊……と言いながら、そこでは作劇論や演出論よりも、兜や鎧の形の時代的変化、美しい水面を撮る方法、石畳を走る荷車の車輪の音 等々、セットや小道具や効果のホントに細かいこだわりを実に楽しそうに語り合うことに終始しているのが、「神は細部に宿る」と言うまさにそんな感じで実にオモシロイです。黒澤が語る、役者のキャスティングや育て方についての話は、アニメには無いことだからでしょうか、宮崎は聞きに回って、でも実に興味深そうに質問していくところも、宮崎らしいなあ…。2019/09/22
Hiro
3
(図書館借)何かいい本はないかなぁと図書館で探しているうちこの本を見つける。私は黒澤明監督の映画が大好きで全て観たのはもちろんだが、人間黒澤明の人間性というのは知らないに等しい。それならばということで少しでも彼の人間性を知りたくジブリの巨匠である宮崎駿監督との対談本をセレクト。宮崎駿をして『私は黒澤監督の前では一小僧に過ぎない』と言わせるほどの人格。映画に徹底してこだわるその姿に心を打たれました。2017/02/15
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