内容説明
89年、北京の民主化運動の高揚に呼応、急遽、留学先の米国から帰り、天安門広場でハンストに入った著者が、明日の中国に思いをいたし綴った鮮烈檄文。
目次
第1章 文化大革命にたいする否定
第2章 道徳的人格の万能を信じれば…
第3章 専制下ではいかなる正義も得られない
第4章 大いなる皇恩のもとでの媚態
第5章 唯我独尊式の自己美化
第6章 知識人のプロレタリア化―現代の愚民主義
第7章 真理を堅持せぬ功利的人格
第8章 知識界における足のすくい合い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nunokawa Takaki
3
書棚に眠っていたのを発見し読んでみた。難しい...。難しいが、言わんとしていることはぼんやりと見えてくる。知識人がこの社会を担わなければならないのに、政治に媚び諂い、その風格は何処へ行ったのかと叫んでいるかのようだ。何となく共産党が毛嫌いするのも分かる。ただ、西洋至上主義を抱いている点に関しては幻滅する。中国だって雄大な文化や社会があるではないか。堕落した今の中国社会ではなく、これまでの中国の歴史を総括して話を進めていけば良いのではないか。2015/07/30
山中鉄平
1
文革以降中国知識人はその批判においてさえ中国に連綿と伝わる帝王による専制体制の批判をすることが出来ていないと冗長なまでに批判をしている。30年以上も前の現代の話だが現在の現代ではどうなっているだろう。経済的にも軍事的にも世界の脅威になっていると自由体制と言われる国々から喧伝される中国の実態や如何?2025/05/03