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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
急性人間病
3
映画史の一つとしてのチャンバラ時代劇史を語る本には違いないが、そのチャンバラ時代劇史とその大元にある「時代物」史が、それを受容する人間（概ね日本人だが、外国周りの話も一応ある）とその集合体なる大衆・貴人・アウトサイダー・大人・子供・男性・女性・語り部らの歴史と性質について自ずから（手段でなく。ここが重要）語りはじめる。その無尽蔵な空間が、これほど明快でくだけた文調から滾滾と生み出されていることの驚き。衣装劇としての時代劇は今後「守る」必要があるかもだが、実際にはやつらは簡単に滅びるようなタマではないと判る2021/11/07
Gen Kato
3
いかにも「好きなものを好きなように語る」よろこびに満ち溢れた一冊。読んでいるこちらまで嬉しくなる熱量。この本が出版できた昭和60年という時代の幸福をしみじみと感じる（今の出版事情では、どんなに売れている作家でもこうした映画本を出してくれる版元を探すのは難しいと思う）。東京オリンピックとＮＨＫ大河ドラマ『忠臣蔵』放映年が重なることについての論考はおもしろい。若いころから書店で見かけて気になっていた本をようやく読んだのだけれど、橋本治も亡くなった「今」読めてよかったのかもしれないと思う。2019/11/01
丰
0
Y-202006/02/12
