内容説明
逃亡する者、気力もなくたむろする者、反乱軍を組織する者…。イシター・ロウがやっと捜し当てたカイヤツ軍団は、規律など消え失せた、無残な姿をさらしていた。さまようロウは傷ついたヤスバを発見。ドゥニネに治療してもらうべくシェーラに呼びかけたが、すでに遅く、また一人友を喪った。シェーラと合流した彼は、エレン・エレスコブの救出に全力を傾ける。短時間エスパー化を駆使して戦うロウは、まるで全ての苦悩を一気に噴出させるかのような姿で、周囲の者を驚愕させた…。SF超巨篇、遂に堂々の完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
7
〈SFアドベンチャー〉81年11月号から90年1月号まで、80年代を通して連載された超長篇も本書で完結。幼い頃に両親に先立たれ、不定期エスパーゆえに周囲から差別を受けながら、エレスコブ家の護衛員を経てカイヤツ軍団の兵士となったイシター・ロウ。最後までエレン・エレスコブと第八隊への複雑な思いを持ちながらも、はぐれた彼らとの合流も束の間のことだった。それぞれの道を歩むことになったが、イシター・ロウは自分が納得して決めたことには悔いはあるまい。彼の成長物語の側面もあるが、エスパーの存在をめぐる思索も興味深かった2024/03/02