内容説明
子どもの側から見ると、音読の魅力は「声を出して読むことは楽しい」の一語につきる。音読を熱心に三か月やれば子どもが変わる。クラスが変わる。学歴、テスト、偏差値といった戦後教育のキーワードが色あせつつある昨今、学んだ結果より学ぼうとする姿勢とか意欲の方に軸足が移ってきた。その意欲の原点は「学ぶことは楽しい」と実感させることであろう。本書は、八戸音読研究の会の会員が日常の実践を持ち寄ったもので、ベテラン新人入りまじっての実践集である。
目次
1 生き生きとした国語教室を作り出したい(音読指導の意義;音読指導の要点;大切な学習の目的意識)
2 文学的文章の指導の実際(低学年・イメージ豊かに楽しむ音読学習―「大きなかぶ」;低学年・ビデオカメラを活用して生き生きと表現する音読の学習―「スイミー」;中学年・読み聞かせや聞き取りから広げる音読指導―「ちいちゃんのかげおくり」 ほか)
3 文学的文章における音読学習の広がり(楽しく詩と対話する音読の学習―小野十三郎作「えんそく」;みんなで劇作りをしよう―「杜子春」;表現を読み味わう朗読会―魯迅の「故郷」)