出版社内容情報
ナチス・ドイツの敗勢は日とともに明らかとなった。ヒットラーは自殺し、二人のアドルフの対決する時が遂に来た…全五巻完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
u
2
墓前で始まり、墓前で終わる物語。人種、民族、宗教、戦争の問題をユダヤ、ナチス、日本の三つの視点から描き出す。最後、アドルフが吐露することばが印象に残った。けっきょく、ひとを戦争へと突き動かすものは何なのか。そこに実態はあるのか。/作者の意図かもしれないが、ゲシュタポと特高が似ていた。各国間における赤狩りのようすも。やはりファシズムに支配されると均一的になるのだろうか。2017/03/18
navyblue
2
以前から読みたいと思っていた作品。この度全巻入手し、週末一気に読んだ。3人の「アドルフ」の辿ったそれぞれの道。しかし、私はヒトラー以外の二人の「アドルフ」の物語だと感じている。周囲の大人たちによって、また、時代や社会の影響を受け、やがてそれが子どもだった二人を大きく変えてしまう恐ろしさ。結局誰も幸せになれず、憎しみの連鎖が現代にもずっと続いているという現実が、最後の1ページを読み終わっても心に重くのしかかったままだ。2016/09/26
nagata
1
ハッピーエンドどころか、徹底したリアリズムに貫かれた展開に溜息しか出ない。また、その隙間を埋めるかのように手に取るはず。2019/11/07