出版社内容情報
「私は人生で三度マルクスに出会っている」。浦和高校、同志社大学で過ごした濃密な青春の日々が甦る、著者初の思想的自叙伝。
内容説明
「マルクスが『資本論』で解明した論理は、超克不能である」という確信に至るまでの、自らの思想的軌跡をたどる。著者の思想の根幹をなした浦和高校時代、同志社大学神学部時代の友人や恩師との濃密な日々を回想しつつ、カール・マルクスとの若き日の出会いを綴った、著者初の自叙伝。
目次
ユダヤ教の刻印
ブダペシュトへ
やぶにらみのマルクス像
労農派マルクス主義
同志社大学神学部
組織神学教授・緒方純雄
ロシアレストラン「キエフ」
黒旗の上に描いた魚の絵
極めつけの嫌がらせ
『美学の破壊』
思想家・渡邉雅司
襲撃
『なぜ私は生きているか』
天性の牧師・野本真也
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
作家。元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館などを経て、95年から外務本省国際情報局分析第一課に勤務。2002年5月背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。05年2月執行猶予付き有罪判決を受け、09年6月有罪確定。13年執行猶予期間を満了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
21
著者の高校・大学の自叙伝です。当時のものの考え方の変遷がよくわかります。学生運動は庇護された子供たちの革命ごっこだなと思います。2024/03/11
kenitirokikuti
6
佐藤優の初期作のひとつ。2010年に文春文庫に入ってたが、新たに文春学藝ライブラリーへ。佐藤氏、62才になり、今年腎臓病のため透析を開始、そして前立腺がんのため前立腺を全摘出したそうな。妻からの腎臓移植を考えているそうな▲旧文庫版の中村うさぎによる解説が再録されているが、新文庫おまけの2010年に同志社で行った講演録があり、その中で中村が同志社卒で、バプテスト派の厳しいクリスチャン•ファミリーの生まれと触れていた。中村の『ゴクドーくん漫遊記外伝 聖マリア修道院の怪談』(1993)は覚えてるな。2022/07/09
都人
3
著者の自叙伝(但し外務公務員試験に受かるまでの)である。本人は「両親に対する報告書」だといっている。p415。自叙伝にありがちな、自慢話の類いは一切無い。それにしても、私と比べて学問への取り組みの真剣さが凄い。 2022/11/13
Y.T.
2
あまりに重厚過ぎる。。。 佐藤優は『国家の罠』を大学時代に読んだことは覚えているが、内容は完全に忘れた感じ。 マルクスとキリスト教が(青年期の)著者の思考にとって、きわめて重要な意味を持っていたということは十分理解できた。 12章は『資本論』と「同志社の栞」の、13章はフロマートカの引用が急に鬼のように続いて、笑ってしまった。2024/05/27
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