出版社内容情報
「鉢木会」の大岡昇平、吉田健一、三島由紀夫らとの衝突と交誼。親子の葛藤、老いと晩年。次男である著者が追想する人間・福田恆存。
内容説明
父・福田恆存と「友達」のように仲が良かった著者は、その影響で演劇の道に進む。やがて病に倒れ老いゆく父と確執を抱え、悩み、父の名を穢すまいと引導を渡す…。遺された手紙を紐解き、「鉢木會」での大岡昇平、中村光夫、吉田健一、三島由紀夫らとの交友、家族への情愛、長く苦しい父子の葛藤を、懐古と悔恨を込めて描く追想記。
目次
第1部 父からの手紙(これはじゆうのめがみです;ロープは最後まで放してはいけません;會食頗る愉快の想ひに御座候)
第2部 鉢木會・断章(晩年の和解―大岡昇平;恆存のボヤキ―中村光夫(1)
詩劇について少々抱負を―中村光夫(2)
チャタレイ裁判―吉田健一(1)
骨身に応へる話―吉田健一(2)
暗渠で西洋に通じてゐるのは―三島と福田
鈴木會の連歌帳―そして、神西清)
第3部 父をめぐる旅路(近代日本をいとほしむ―L嬢の物語;恆存の晩年;生きることと死ぬことと―エピローグ)
著者等紹介
福田〓[フクダハヤル]
1948(昭和23)年神奈川県生まれ。上智大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。明治大学名誉教授、翻訳家、演出家。シェイクスピアから現代演劇、新作歌舞伎まで多数の舞台演出を手掛けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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