文春学藝ライブラリー 思想 19<br> 六〇年安保 センチメンタル・ジャーニー

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文春学藝ライブラリー 思想 19
六〇年安保 センチメンタル・ジャーニー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 231p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130748
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0195

出版社内容情報

保守派の論客であった著者の原点は、安保闘争で戦った学生時代にあった。あの「空虚な祭典」を、「戦友」たちの記憶と共に振り返る。かつて保守派の論客としてマスコミを賑わせた西部邁氏が、今年1月、78歳で自死した。病気がちだったこともあり、自らの人生に自ら始末をつけるという、潔い最期だった。

そんな西部氏の言論活動の原点は、日米安保条約に反対する武力闘争「六〇年安保」にある。東京大学に在籍していた筆者は、学生運動の指導的立場にあった。のちに東大教授となり、社会問題に対して保守の立場から盛んに発言し、世の人気を博した。世間にはこれを転向、変節と評する向きもあったが、著者はそれについて長く反論、弁明をすることはなかった。

本書は、1986(昭和61)年に著者がはじめて当時の闘争を振り返ったもので、当時盟友として共に戦った人物たちの内面の葛藤にまで踏み込み、あの闘争とは何だったのかを問い直す。そこには崇高な思想よりも若者としての焦燥感、虚無感などが色濃く現れざるを得ない。「空虚な祭典」の中にいた「哀しき勇者たち」を、著者は時に愛をもって、時に突き放して語っていく、者が副題として「センチメンタル・ジャーニー」と名づけたのは、、当時の青年たち、そして著者自身の青春を描く物語が、逆に「知の誠実とな何か」を問うことになるからだ。

真にラディカルであることは、右とか左とかを問うことではない。行為の一貫性にこだわり内実を問わないのは知の怠慢である。

昨今盛んな改憲論議は、保守だリベラルだ、右だ左だといった単純な図式で語ってよいのか。著者が「六〇年安保」と題した本書で提起している問題は、現代においてこそ改めて真剣に考えられるべきテーマである。

西部 邁[ニシベ ススム]
著・文・その他

内容説明

保守派の論客としてかつてマスコミを賑わせた西部邁が、18年1月、78歳で自裁した。その言論活動の原点となったのが、日米安保に反対する闘争「六〇年安保」だった。自らと、共に戦った盟友達の内面の葛藤、焦燥感や虚無感と理想の相克を通じ、あの「空虚な祭典」とは何だったのかを問い直す。

目次

序章 空虚な祭典―安保闘争 ブント 私
第1章 哀しき勇者―唐牛健太郎
第2章 優しい破壊者―篠田邦雄
第3章 純な「裏切者」―東原吉伸
第4章 苦悩せる理想家―島成郎
第5章 善良な策略家―森田実
第6章 寡黙な煽動家―長崎浩
終章 充実への幻想―思い出の人々

著者等紹介

西部邁[ニシベススム]
1939年北海道生まれ。東京大学在学中に全学連中央執行委員。東京大学大学院経済学研究科理論経済学専攻修士課程修了。横浜国立大学助教授、東京大学教授。88年辞任後は執筆活動やテレビなどで保守論客として活躍。94年に「発言者」を創刊、後継雑誌の「表現者」顧問を2017年10月まで務める。著書に『経済倫理学序説』(吉野作造賞)『生まじめな戯れ』(サントリー学芸賞)『サンチョ・キホーテの旅』(芸術選奨文部科学大臣賞)など多数。2018年1月21日に自裁を遂げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

54
文章が驚くほど、読みやすい。難解な語句や表現は当然あちらこちらにあって、調べながら読むのだが、それでいて文章の洗練が際立っている。本当に賢い人はこういう文章を書くのかと感心した。60年安保におけるブントの闘争史というより、生の声が聞けた。副題どおり、センチメンタルジャーニー。2021/09/22

roatsu

22
まさに副題通り。感傷全開の回顧録。今や昔の60年安保騒動がどんな人々にリードされ、どんなドラマがあったかを知るには良いテキストだと思う(個人的にはそんな価値は皆無の騒擾と思うが)。80年代半ばに執筆され、四半世紀を経て分別盛りで初老となった西部さんが当時どんな気持ちでいたかなとか、本書に列挙される”伝説の”人々よりも、学生の本分を忘れ謎の全能感で発狂した最高学府の学生達の騒擾で迷惑を被りながら、淡々と当時の日本を回した大人達の方がずっと偉いなという感想が残る。象徴的なブントという言葉だが、登山でもそうな2020/05/10

ミスター

6
格好つけているが、ようは楽しかったんだなと思った。全てが許されているからこそ全てが許されない生の一回生の中で自分の内にある虚無に苛立ちながら社会に対する怒りとして発散するのは「若気の至り」としてよくあることだが、西部邁はこの虚無感がより一層強かったんだろうな。と思う。「ブントの十字架を唐牛にだけ背負わせた」という評は悲痛。ただ自分でも言っている通りこれを読むと西部邁は転向してないんだなと察しがつくだろう。生来の虚無感から、虚無を偽りながら持続している戦後日本に対して攻撃し続けたのが西部邁なのだから。2020/04/04

山陰 柴

6
政治に関わった動機が曖昧であるという。きっかけは誰でも同じだと思う。思想家のこれこれを読んで問題を検証して理解してからなんじゃなくて問題が起きている社会に対して政治がおかしく作動していたならば何かをしなければと若き西部氏も動き出したんじゃないでしょうか。過酷な組織として組織のための戦い以上に大きな政治の問題である安保粉砕に動き出した群像を自分をも含めてリアルに描き出した。その過酷な党派闘争をも経て死者をも出した最高学府の東大生の先駆的な闘いだからこそ全国が注目していたし支持も得た。 08/14 08:572018/08/12

マーク

5
37 希望図書館 ●西部邁のブント時代 トロツキーの本を一冊も読まず、ノンポリのようなレベルの知識で、吃りを治すために騙しの選挙で、委員長を務めた⁉️ 本当?極端な自己卑下? ●唐牛(田中清玄、右翼?)、清水丈夫(中核幹部)、青木昌彦(東大教授)のトロイカ。●平和と民主主義→偽善と欺瞞という不徳に転落。革命と自由→破壊と放縦という不徳に転落。両者の矛盾葛藤のなかで平衝を取りながらより高い次元の徳へ総合していくべきであった。 ●終章 レヴューに最適。「おのおの方、今度こそ本当に過激に生きようではないか」 2020/11/09

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