文春学藝ライブラリー
五衰の人―三島由紀夫私記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130533
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

一九七〇年十一月のあの日、市ヶ谷の死地に赴く三島から「檄」を託された著者だから見透した人間の本質。三島像を描ききった大傑作。

1970年11月、市ヶ谷台に赴く三島由紀夫は、手紙と写真、そして決死の『檄』を二人の新聞記者に託した。三島の最後の姿をバルコニーの下から見つめ、演説内容のメモを続けた著者が、そのうちの一人だった。

なぜ三島は『檄』を著者に託したのか。雑誌記者と、時代を象徴した戦後を代表する作家・三島。二人の3年半に及ぶ交友の中で、三島はいかなる存在として立ち現れたのか。「あの時」から四半世紀を経て、世の喧騒から逃れ、戦中派作家としての心の変遷と戦後を描いた三島由紀夫論。新潮学芸賞受賞作!

【目次】
第一章 死者と対話するように
第二章 初の体験入隊
第三章 「四年待つた」とは?
第四章 バンコクで再会
第五章 プールサイドの会話
第六章 『和漢朗詠集』の一句
第七章 林房雄にからむ謎
第八章 いつ死ぬ覚悟を?
第九章 その前夜まで
第十章 十一月二十五日
第十一章 死後

内容説明

昭和45年11月25日、市ヶ谷・自衛隊駐屯地で最期を迎えるまで、三島と親交の厚かったジャーナリストが見た「面白い人」とは?四半世紀の時を経て発表された本書は、三島由紀夫という人間の本質を見抜いて絶賛を浴びた新潮学芸賞受賞作!

目次

死者と対話するように
初の体験入隊
「四年待つた」とは?
バンコクで再会
プールサイドの会話
『和漢朗詠集』の一句
林房雄にからむ謎
いつ死ぬ覚悟を?
その前夜まで
十一月二十五日
死後

著者等紹介

徳岡孝夫[トクオカタカオ]
1930(昭和5)年、大阪市生まれ。京都大学英文科卒。毎日新聞社で社会部、サンデー毎日、英文毎日の各記者、編集委員などを歴任。ベトナム戦争、中東戦争なども取材。1986年、菊池寛賞受賞。1991年、『横浜・山手の出来事』で日本推理作家協会賞受賞。『五衰の人―三島由紀夫私記』で1997年、第10回新潮学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バルジ

1
三島由紀夫没後50年ということで本書を読む。著者の徳岡孝夫氏はわずか「3年ばかり」の付き合いと謙遜しつつも、等身大の作家三島由紀夫の姿を捉えているように思う。その強烈な最期から「狂人」呼ばわりされる三島を共感を持ちつつもどこか達観した筆致で描く。著者が「昭和元禄」に対して抱いていた違和感を含め三島の自死をめぐる世相もきりとっていて同時代史的な読み方も出来るであろう。2020/12/28

川さき

1
面白かったけど、引用が多くてもう少し自分の言葉で三島由紀夫を語って欲しかった気がした。 事件の時に呼ばれたたった二人の記者のうちの一人としてその存在は三島由紀夫にとっても特別なものだったことは間違いないはずなのに、どうも遠慮しているし、客観性を重視しているのは元記者の性? まあ、その分一つの資料的な意味で面白く読めたけどね。誇張もないだろうし。日本人としての文化とは精神とは。三島由紀夫の問い掛けが胸に迫ってくる。2016/02/15

つかぬ間の休息

0
徳岡孝夫の三島評伝。三島のパトスが彼の筆からよく伝わってくる2016/01/25

アンコ椿

0
三島没後50年を記念して・・・2020/11/30

Chihoish

0
「日本に身を置きながら日本を徹底的に批判するのが新聞社や言論人の『営業』にプラスになるという奇妙な構図」「この国でもっとも危険のない、人に尊敬される生き方はやや左翼で平和主義者で暴力否定論者である」「情緒半分の左寄り平和主義者が最も権威のある声」など現在も変わらない。「犬死こそ純粋行動の正しい姿」を実践してしまった三島。著者のアイロニカルな面が三島と気が合ったのかなと思える部分が多々あった。確かに"乱入"なんてしていないのに他に適当な表現が無いのだ等、記者としての視点がとても参考に。2020/11/02

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