文春学藝ライブラリー
重臣たちの昭和史〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130250
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

盧溝橋事件から日米開戦へと向かう中、昭和天皇の側近たちが抱いた苦悩と展望とは? 昭和史の悲劇のクライマックスが明らかになる

近衛は、そして西園寺は何を語ったか

盧溝橋事件から日米開戦へと向かう中、昭和天皇の側近たちが抱いた苦悩と展望とは? 昭和史の悲劇のクライマックスが明らかになる

内容説明

ついに中国で戦火の狼煙が上がった。近衛内閣は三国同盟に踏み切ったが、一方で失望を隠せなかったのは、「一体、どこに国を持って行くんだか」と呟いた西園寺公だった。戦線は拡大し、ついには日米開戦に―。昭和天皇の側近のみが知り得た事実を基に、昭和二十年夏に向かう秘史に迫る!

目次

第8章 総権益を捨てるか、不拡大を放棄するか―蘆溝橋事件と近衛内閣
第9章 二つの国‐陸軍という国と、それ以外の国がある―防共強化問題
第10章 どこに国を持って行くんだか、どうするんだか―三国同盟と西園寺の死
第11章 太平洋戦争を招く二つの誤算―独ソ開戦と日米交渉
第12章 終戦をめぐって―近衛と原田の死

著者等紹介

勝田龍夫[ショウダタツオ]
1912年‐1991年。東京生まれ。京都帝大法学部卒業後、1937年、朝鮮銀行入行。戦後は日本不動産銀行(後の日本債券信用銀行)に移り、69年に頭取、74には会長に就く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しーふぉ

24
ほぼ終戦まで。そう言えば、議院内閣制ではなかった戦前ではどうやって首相を選んでいたのか知らなかった。西園寺公望が生きていた頃は、西園寺に次は誰にやらせたら良いのか下問があり決まっていた。西園寺が亡くなって以降は首相経験者、内大臣などの重臣の協議により決めていたようだ。原田が裏方ではなく政治家として活動していたら、政治が変わっていたのか、それとも早い時期に暗殺されていたのか。そんな歴史も覗いてみたかった。2019/03/29

中年サラリーマン

9
西園寺公と若かりし頃彼と出会った木戸、近衛、原田の三羽烏を中心に中国へ先の見えぬ戦いへと引き釣り込まれる陸軍とそれを抑えようとしまたどうしようもなく引きづられてしまった日本政府を描いた著書。強烈な意思をもった陸軍が侵略を指導し、それとは反対に強烈な意思を持たない近衛が日米戦争を始めた。日本は一度弾け飛んでしまわないといけない運命だったのだろうか・・・2014/10/19

2
下巻の主人公は近衛と木戸。政治家としての近衛は悉く反面教師とするべきひどいもの。西園寺曰く「政治は眼前のことを裁いていくのが大事である」近衛の内閣改造への期待感からの落差が凄い。「要するに日本軍には明確な戦争目的がなかったのだ」次第に右傾化していく近衛や木戸と西園寺に倣い敢然と自由主義を曲げない原田との喧嘩が目立つ。米内と山本の写真は原田が撮影した。西園寺薨去に対する永井と宇垣の日記が印象的。和平工作における近衛は随分頼りがいのある人物に豹変したような印象を受ける。最初からその覚悟があれば良かったのに。2021/07/27

フンフン

2
いよいよ運命の盧溝橋事件が起きた。ここで総権益を捨てる決断ができなかったことが、その後の泥沼の日中戦争となり、三国同盟から太平洋戦争へとつながっていくことになった。終戦を聖断でできたんだから聖断でハルノート受諾できたはずだとの意見に対し、木戸は「開戦の時には日本の軍備が溢れんばかりになっておって、そこへ持って来てハル・ノートみたいなものを突きつけられた。そういう空気と、もう終戦ですっかりへばっちゃって、日本がつぶれるかどうかという時期とだ、それを同じに考えて言うのは、どうかしているよね」という。2019/05/21

sasha

2
「三国同盟などを結んだら、アメリカと戦争をすることになりはしないか」。日米開戦を危惧した西園寺公。しかし、第三次近衛内閣は三国同盟を締結する。あぁ、大惨事内閣だよ。しかも、西園寺公が自身の後継者と思っていたのに天皇を輔弼するどころか、わが身可愛い近衛公。提灯本作家・工藤美代子がどれだけ美化してもやっぱり近衛公は優柔不断、政治家になり切れなかったお殿様なんだよな。「とにかく政治家がいなかった」と言ったのは木戸幸一だったか。唯一、政治家だったのは昭和天皇なのかもしれない。2015/06/02

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