出版社内容情報
【目次】
内容説明
東京・新宿の定時制高校に通う、年齢も境遇もバラバラの生徒たち。教師の藤竹に誘われ科学部の一員となった彼らは時にすれ違いながら「火星のクレーター」を再現する実験にぶつかっていく。明かりの灯る夜の教室で科学に打ち込むうち、やがて小さな奇跡が―。直木賞作家が描く、NHKドラマで話題の青春小説!
著者等紹介
伊与原新[イヨハラシン]
1972年大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。19年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、25年、『藍を継ぐ海』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
115
新宿の定時制高校に通うのは10代から70代まで年代はさまざま。境遇も抱える悩みも違う生徒ら4人が担任の藤竹に誘われて科学部に入り、火星のクレーター再現に挑む7話の短編連作。科学のロマンが人生の新たな一歩を踏み出すきっかけになるという伊与原節が全開。最終話の「教室は宇宙をわたる」もよかったが、火星探査機のエピソードが泣ける「オポチュニティの轍」が印象深い一編でした。2026/04/11
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
84
(2026-40)文庫化されたので再読。「知ってますか?火星の夕焼けは青いんですよ」理科教員藤竹のその言葉から始まった科学部。ディスクレシアの柳田、元町工場の社長長嶺、日比ハーフのアンジェラ、いじめによる不登校だった佳純、皆それぞれの理由で一度は学ぶことを諦め、再びこの定時制高校に入学した学生達。火星のクレーターの謎を解き明かすという大きなテーマに挑戦し、試行錯誤の中で学んでいく。伊与原さんの小説の中では、この作品が一番好きだ。巻末では辻村深月さんとの直木賞対談も楽しめる。文庫本はこういうのも面白い。2026/03/20
クプクプ
72
面白かったです。私は今は、日本語の文章に一番興味を持っていますが、若い頃は、科学が好きでした。研究者崩れで、定時制高校の講師になった藤竹が、科学部を作り、自分が目をつけた生徒を科学部に勧誘します。それが生徒のためではなく、自分の研究のため、という表現が残酷でリアルでした。また、藤竹が比較的、裕福な家庭で育ったというのも現実的に感じ、恐かったです。学校で、惑星の衝突によるクレーターを作る実験をする内容でしたが、近頃、火星の研究が進んでいることを知り、意外性があって興味深い、と感じました。2026/04/10
LaVieHeart
65
こんな部活作られちゃったら、きっとみんな科学が好きになるし研究者になりたくなっちゃうネ!と感じた一冊。部活じゃないまでも、中高生がこの本を読めばきっと、刺さる子には刺さる。 何しろ登場人物が個性的で面白い。そして定時制高校が舞台というのも秀逸。。。と思いきや、何と実際の出来事がモチーフになっているという。まさに「その気になりさえすれば、何だってできる」のだと勇気を貰える。純粋な知的好奇心というのは何にも勝るのだ。 「自動的にはわからない」は何にでも当てはまるスゴい名言だと思った。私も早速使ってみよう(笑)2026/03/17
Tadashi Tanohata
59
やはり読メのK氏には感謝かな。伊与原新はいい。「青春科学小説」に66歳、少し抵抗を感じながらも、緻密で繊細で感謝に溢れていた。どの作品もそうだろう。今作での私の想いを2つ。柳田岳人に長嶺製作所を継いでほしいのと、「オポチュニティの轍」の写真をNETで見るや否や、66歳の感情も涙腺も崩壊した。事実なので躊躇なく記すことに。2026/04/29
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