出版社内容情報
【目次】
内容説明
なぜ日本は“生きている気”がしない国になったのか。「自分は正義を執行している」と信じる人は時にとてつもなく残酷になれる。尖った言葉が蔓延する社会で「親切」であることの意味を問う言葉の処方箋。『コロナ後の世界』を改題し、文庫化特別企画として『反知性主義』『不寛容論』の著者、森本あんりさんとの対談を収録。
目次
1 「生きている気」がしなくなる国で(「ふつうの人」が隣人を攻撃するとき;都市生活の脆弱性と「ブルシット・ジョブ」 ほか)
2 ゆらぐ国際社会(トランプとミリシア;平等よりもアメリカン・ドリームに惹かれる労働者 ほか)
3 反知性主義と時間(なぜ民衆は愚者支配を支持するのか;酔生夢死の国で;反知性主義者たちの肖像)
4 共同体と死者たち(倉吉の汽水空港でこんな話をした;自戒の仕掛け ほか)
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学文学部名誉教授。『私家版・ユダヤ文化論』で第六回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞。第三回伊丹十三賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tokko
16
今年最後の読了は内田先生の『反知性主義者の肖像』でした。こちらもあちこちで読んだものがほとんどでしたが、このように編集していただくと内田先生の思想の一端が理解しやすくなります。この「反知性主義」は政治でも歴史でも、はたまた日常でも思い当たる節がありますが、私たちはどのように振る舞えばよいのでしょうか。結局は足元のゴミを拾うような「千里の道も一歩から」振る舞うしかないように思います。2025/12/31
どら猫さとっち
13
単行本刊行時は「コロナ後の世界」というタイトルだったが、文庫化に際し本書のタイトルに改題したもの。しかし、コロナ禍以前から“生きている気”がしないのを、著者も読者も感じているのではないだろうか。コロナ禍から現在まで、目まぐるしいスピードで社会が変わった。陰謀論や排外主義、反知性主義…。普通の人が暴走するときのその先にある世界は?巻末の森本あんりさんの対談も必読。2026/02/08
アドソ
13
コロナ発生直後の頃に発表された文章のコンピレーション。日本政府の初期対応のまずさと絡めて、この国がどうして「こんなふう」なのか、舌鋒鋭く内田節がさく裂。表題トピックを含めて話は多岐にわたり、とてもじゃないが一言ではまとめられない。でも定期的に内田先生の本は読まなくてはと思う。一度では身につかないことも繰り返し少しずつ沁みついて血肉になっている気がするから。「生命の本質は変化すること。変化を止めた人は、生物学的には生きていても人間的には死んでいる。」『1984』はやっぱり読まなくては、と改めて。 2026/01/14
Akki
9
承認社会の加速時代にあって、自己同一性への希求は強まるばかりである。“個性の尊重”を教育目標として掲げられ始めた世代に属する私は、ずっとこの言葉が嫌いだった。不快とすら思ってきた。20年以上経って、その気持ちを本書のあとがきが明快に代弁してくれた。『生命の本質は、変化すること』であり、『自分とは、見つけたらもう一生それを手放さないような「何か」ではない』のだ。思春期なんていう、どこまでもふらつくことが織り込まれている時期の“個性”を、あたかも“その人そのもの”のように扱うのは、無時間性の極みではないか。2026/01/20
えいこ
4
反知性主義者の声が飛び交う。内田先生の批評にまた触れたくなる世の中だ。ネットで吐き出されている酷い言葉の応酬に失望する。それぞれの「正義」を振りかざす匿名の人々。相互監視社会には管理コストがかからない。納得。もの言えば唇寒し。社会は息苦しくなっている。その人がいることで、その人の発言やふるまいによって、その集団の知的パフォーマンスが上がる。そのような人が知性的な人と判定される。ささやかな組織であってもそんな人でありたい。2026/01/15
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