出版社内容情報
離婚って、幸せになるための選択なんじゃない?
40歳を目前に夫から離婚を切り出されたまりえ。しかし、戸惑いながら始めたひとり暮らしは思いのほか快適で、自らを慈しむ日々は確実に彼女を変えていく。
そんなときに出会った年下の男性・由井くん。
そして、コロナ禍という非常事態の発生。想像もしなかった未来がまりえにもたらすものとは――。
直木賞作家が紡ぐ
結婚と幸福をめぐる物語
巻末に金原ひとみさんとの対談「私たちの離婚」も収録。
【目次】
内容説明
40歳を目前に夫から離婚を切り出されたまりえ。しかし、戸惑いながら始めたひとり暮らしは思いのほか快適で、自らを慈しむ日々は確実に彼女を変えていく。年下の男性・由井くんの存在にコロナ禍という非常事態。想像もしなかった未来が彼女にもたらすものとは―。巻末に金原ひとみさんとの対談「私たちの離婚」も収録。
著者等紹介
千早茜[チハヤアカネ]
1979年、北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2008年、第21回小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(「魚」から改題)でデビュー。09年、同作にて第37回泉鏡花文学賞、13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきらぱ
25
主人公マリエをめぐる色々なタイプの人々が面白かった。マリエは何に対してもまったくフラットでその公平な態度と価値観は揺るがない。がしかしマリエの最も近くにいた母親、元夫、親友などはどちらかというと無責任で価値観も違いマリエを苦しめる。ここが不思議だった。マリエくらいしっかりしていたらせめて親友や最初の結婚相手は自分と似たタイプを選べばよい。そうすれば関係を積み上げていける。しかししばらくして思った。マリエの好みとしてはこいつゆるいなあと思える人がいいのだろうと。人間の好みは複雑である。2025/12/20
よっち
25
夫に恋愛がしたいと切り出され、7年半の結婚生活に終止符を打った桐原まりえ。若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけない大人の女の幸せをめぐる物語。理由には納得がいかないものの、離婚届を提出して寂しさよりも、手放して一人になる清々しさをこそ感じたまりえ。ひょんなことで懐いてきた由井君、始めてみた婚活で見聞きした思いもよらない世界、そして掴みどころのない元夫。心地よく過ごせる関係でも、考え方や経験による違いは当然あるわけで、それでも続けられるかどうかはお互いに価値観をすり合わせできるかどうかなんですよね…。2025/12/03
椎名
6
離婚してからの一人の生活、新しく出会った歳下の男性、婚活から見えていく結婚や恋愛の価値観、需要と供給、性別や時代における違いなんかが丁寧に描かれている。これ後半で指摘されていた通りまりえはどちらかというと置いていける側の人なんですよね。そこに寂しさなんかはあっても、流して変化できてしまう。結婚とは山登りみたいなものかもと言っていた婚活相手の男性は成長を感じて嫌いじゃなかった。山を登った時に彼は世界を共有しようとしてくれていた。それでもまりえにとっては違った、というところに核がある気がする。2025/12/19
ナオ
1
自分の言動や行動を反省しながら読む。作者はモヤモヤ感を言語化するのが上手いと感心。2025/12/25
Xi
0
一気には読んだ。読んだけれど、理解も納得もできないし、消耗した。理不尽な離婚。というのが適切な言葉かどうかわからないけれど、そう感じた。なんで結婚したんですか。なんでそそのかされるままお見合いするんですか。そんなに男っていないとダメですか。自分のために、自分の時間を使う。それだけじゃだめですか。一人はそんなに怖いことですか。2025/12/12
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