出版社内容情報
【目次】
内容説明
厳罰化が進み、「人ひとりを殺したら死刑」という厳しいルールが定着した日本。緊張感みなぎる社会を背景に描き出される、奇妙に歪んだ事件の数々。命は助かったものの指と目と舌を奪われた男、意図せずに他人を死に至らしめた人間の心裡、そして世間を敵に回してもあえて死刑反対を訴える男の悲しみとは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MINA
23
<人ひとりを殺した者は死刑!>という衝撃的な帯文句に釣られて思わず購入した一冊。…なのだけど、いい意味で裏切られたというか期待以上に、めちゃくちゃ面白かった!帯文句から死刑濫発するいたずらに残虐なスリラーテイストではなく、死刑の是非を巡る壮大な思考実験をしているかのような感じ。それでいて5つの短編全てミステリーとしても秀逸で最高なのだから凄い。殺意の有無という胡乱なものは排除して問答無用で死刑、というのは恐ろしいけれど確かに分かりやすくはある。では、反省して改心したら?と私たちにも問いかけてきた気がした。2025/12/08
ぴ〜る
17
人1人殺したら問答無用で死刑になる世界。異様に盛り上がる国民…それは果たして正義なのか…。私は死刑制度に関してはどれだけ考えても答えが出ない。答えが出せずにいる。身内が理不尽に殺されたら間違いなく相手を抹殺してやりたいと考えると思う。それでもその後に残る感情は経験した人でないとわからないのだろう。。。赦すということの意味を深く考える。2025/10/26
ロア
14
ふくろうって漢字、木に鳥がとまってるみたいでかわいい(●´ω`●)ミステリの皮を被った問題提起系の短編5篇。とても面白かったです。死ぬ勇気ないから死刑にしてって考える人は実際いそう。警官にわざと射殺されるとかアメリカでは起こってるし。死刑を望む気持ちはよく分かるけど、私が遺族だったとして、犯人を死刑にしてスッキリ!とはならない。犯人死ね!の願いが叶っても、心は晴れず空しいかも。寧ろ一生をかけて償って欲しいと思う。自殺願望有りの犯人だった場合はその望みを叶える事にもなって、逆に悔しさと無念にとりつかれそう。2026/03/14
NAOAMI
14
「人ひとりを殺したら死刑」という情状酌量もへったくれもない問答無用な厳罰化が進んだ日本。前半の短編で、そうなった際に起こりうるシミュレーションが展開。殺さない(死刑にならない)ように「人生を奪う」犯罪。孤絶した山荘ミステリでの一幕。いじめの首謀者がSNSで晒され殺される(自ら死刑を求める犯罪!)事件が頻発する世の中。姉殺しの容疑者を自ら私刑する若者の葛藤。そこから本題とも言える中篇表題作が始まる。死刑に反対か賛成かという単純化ではなく、死刑を求めず何を求めるのか考えさせられる力作。梟が判る終盤は鳥肌モノ。2026/03/04
ナオ
10
面白かった。人ひとりを殺したものは必ず死刑な世界のお話。 5話からなる作品集。1話目の被害者の殺された方がいいくらいの被害っぷりに震える。4話目の「猫は忘れない」には、内容とは全く関係ないけど、猫ってご主人様想いとゆーか、ミステリでは、あくまで私の感想ですが、飼い主のために敵を取るイメージがあります。ミステリ作家の人に猫好きが多いのかな? 最後のお話がタイトルと同じなのですが、1話目からは思いもよらないヒューマン的なラスト。ちょっとあざといと思ってしまうけど位に。 満足の一冊でした。2025/12/11




