出版社内容情報
池波正太郎が心底ほれた男――大石内蔵助
播州赤穂、大石家の長男・竹太郎は色白で可愛げのある
顔立ちだが、評判は芳しくない。
子供の頃から居眠りばかり。剣術修行は進歩ナシ。
19歳で大石内蔵助として国家老になってからも、
ついたあだ名は「昼行燈」。
妻子と仲良く暮らし、晩酌を愛し、時には遊女とたわむれ、
弱い者にも優しい――。
著者が愛してやまなかった男の生涯。
装いを新たにした決定版!
内容説明
播州赤穂、大石家の長男・竹太郎は色白で可愛げのある顔立ちだが、評判は芳しくない。幼い頃から居眠りばかり、剣術修行は進歩なし。19歳で大石内蔵助として国家老になってからも、ついたあだ名は「昼行燈」。妻子と仲良く暮らし、晩酌を愛し、時には遊女とたわむれ、弱い者にも優しい―著者が愛してやまなかった男の生涯。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
大正12(1923)年、東京に生れる。昭和30(1955)年、東京都職員を退職し、作家活動に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、35年、第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。52年、第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。63年、第36回菊池寛賞受賞。平成2(1990)年5月3日没。東京・浅草に池波正太郎記念文庫がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sato19601027
65
「時は元禄15年、師走半ばの14日、江戸の夜風をふるわせて響くは山鹿流儀の陣太鼓」この季節に思い出す忠臣蔵の討ち入りの名場面。大石内蔵助の生涯を読む。播州赤穂五万三千石の浅野家の家老の跡取りの大石竹太郎は、幼少期から居眠りばかりのぼんやりとした性格であり、国家老・大石内蔵助となっても、京都祇園や江戸新吉原に通って、淫蕩な生活を送っている。剣の覚えも遅く、剣術の免許を得たのは元禄5年、34歳になっていた。5代将軍綱吉の御世、悪評高い生類あわれみの令が発布されていた。赤穂事件は、まだ起きていない。下巻へ。2024/12/11
まちゃ
45
池波正太郎氏が描く、「妻子と仲良く暮らし、晩酌を愛し、時には遊女とたわむれ、弱い者にも優しい」、そんな好漢「大石内蔵助」。面白かった。下巻へ2025/01/30
majimakira
15
「決定版」として再版された、池波先生による「大石内蔵助」伝。いつか学びたいと考えていた忠臣蔵のエピソードにこのようなかたちで触れられることは嬉しい。上巻では、のちの内蔵助良雄となる竹太郎が、祖父の跡を継いで国家老の重責につき、やがて婚姻、長子・主税の誕生する元禄期序盤までが描かれる。若き日の竹太郎の、やがて役目においては昼行燈と揶揄されもするおっとりとした、マイペースな心根、そして心優しさに好感が持てる。時は五代・綱吉の治世となり、殿・浅野内匠頭長矩が世を憂い始める。不穏な行末の兆しが醸される中、下巻へ。2025/01/19
シンチャイナ
2
子供の頃から居眠りばかりしており【昼行燈】と呼ばれた、大石内蔵助、赤穂5万3千石の国家老となる、2025/03/21