内容説明
媛野藩栗屋家の三男坊に生まれた清吾は、地味で控えめな性格だが、剣の腕はめっぽう強い。女中のみつを妻としたものの家長の長兄には認められていない。そんな時、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。子を持ちたいというみつの願いを叶えるため、清吾は家中の権力争いに巻き込まれていく。
著者等紹介
葉室麟[ハムロリン]
1951年北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞し作家デビュー。2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞、2016年『鬼神の如く 黒田叛臣伝』で第20回司馬遼太郎賞を受賞。2017年12月23日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かたぴぃ
2
文庫本で購入。『ひとが何事かをなすのは、大きな器量を持つゆえではなく、草雲雀の如くちいさくとも、おのれもひとも裏切らぬ誠によってだということでございます。』『ひとはひとりでは生きていけませぬ。いとしいひとを大事に思える、深い心を持ったひとになってもらいとうございます。』安定の葉室作品。一気読みで久々に楽しめた。友情、親子愛、夫婦愛、仕事愛、愛てんこ盛りの納得の作品、清々しい気持ちで読了。部屋住みの身でも、愛するみつと家族を作りたいというささやかな夢を叶えるため不器用だけど誠実に生きていく清吾がカッコイイ。2025/02/14
cloud9
1
解説には言うまでもないと断り書きがありましたが「草雲雀」は鳥だと思ってこの本を手にとりました。何なら空高く舞い上がる前に草むらにいるヒバリのことかと…フフンw2025/02/27