出版社内容情報
八咫烏の一族が住まう世界「山内」。
正式に即位した弟の奈月彦を支える長束は、
自らの護衛であり、長年側近をつとめる路近の心が
わからない。
なぜ彼は自分に忠誠を誓ったのか?
その忠誠は信じられるものなのか?
答えを求め、ひとりの男のもとを訪れるが-―
山内を襲ったあの大きな政変の裏で、長束とその配下
の男たちが見ていたものとは。
貴公子を支える男たちの思惑、深い因縁と
山内の行く末がからみあう!
アニメ化でも超話題の大人気ファンタジー、第9弾。
内容説明
八咫烏の一族が住まう世界「山内」。正式に即位した弟の奈月彦を支える長束は、自らの護衛をつとめる路近を信じることができない。なぜ彼は自分に忠誠を誓ったのか?答えを求め、ひとりの男のもとを訪れるが―あの政変の裏で、長束とその配下たちが見ていたものとは。深い因縁と山内の行く末がからみあう!
著者等紹介
阿部智里[アベチサト]
1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、20歳という史上最年少の若さで松本清張賞を受賞。デビュー作『烏に単は似合わない』は八咫烏の世界を舞台に緻密な世界設定を行い、微妙な心理描写や意外な結末をはらんだストーリーも高い評価を受けた。14年早稲田大学大学院文学研究科に進学、17年修士課程修了。2024年「八咫烏シリーズ」で吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
73
シリーズ3話目までは友人が「おもしろいよ」と貸してくれました。NHKで放送されたアニメも全部見ました。その後友人からのおすすめはなく、いきなり9話目が回ってきました。可愛かった雪哉は出世して名前だけの登場。今回は長束の護衛路近と彼を導く清賢、世話係翠寛の若い時代が描かれていて、三人の考え方ややりとりがおもしろくて集中して読めました。8話目までを読んでいなくても彼らの魅力で楽しめました。長束がけっこう迷いの多い人物として描かれていて、アニメのときはあんなに格好よかったのにとちょっとクスッとしてしまいました。2025/02/03
毎日が日曜日
37
★★★★ 路近が思ったよりもやばかった。2024/11/18
よっち
37
衝撃の結末から遡って長束と路近の主従関係や、彼らと武人養成機関である勁草院の教官・清賢と翠寛の過去も描かれる短編集。奈月彦が長束の側近として推薦した翠寛との邂逅、狂暴な路近の監視役として教官となった清賢や、側近候補として勁草院に入った翠寛との関係。前巻からの続きではなく翠寛と路近の因縁について掘り下げてゆく展開で、そこから再び結末に繋げたことを考えると、一見繫がりはなさそうにも思えたエピソードを、あえてここで挿入してきたことにも意味があるんでしょうね。今回はほとんど出てこなかった雪哉の動向も気になります。2024/10/09
イシカミハサミ
23
長編。 シリーズの始まりから 金烏代・長束の側近として怪しい威圧感を放っていた 路近を中心としたエピソード。 路近という人物は恐怖はあるけれど、 読者視点ではかなりわかりやすい。 ただ味付けが絶品というか、 周りの人物の配置、各エピソードの絡まり方が、 ほんとうに緻密。 清賢の教師ぶりがいい。 翠寛の在り様も潔い。 路近と安近という兄弟の対比もいい。 短編よりも山内の話より人物の話をしてるの面白い。2024/11/03
hnzwd
23
長束、路近、翠寛サイドからのサイドストーリー。あの衝撃の展開にどう繋がっていくのか、裏側まできっちり描いてくれるからこそ八咫烏シリーズは世界観を楽しめるんだよなあ。十二国記にも感じる滅びに向かう予感が素敵なシリーズ。追いかけますよー。2024/10/30
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