出版社内容情報
仕事を失い落ち込む優彩の元に、見知らぬ旅行会社から「アート旅」のモニター参加の招待状が届く。行先は、瀬戸内海の直島。そこでツアーガイドに導かれ美術館を巡るうち、生きるヒントが見えてきて……。頼れるガイド・桐子が、人生に迷える旅行客に寄り添い、全国各地の美術館へと誘う。藝大出身の著者が贈る優しい連絡短編集。
内容説明
仕事を失い落ち込む優彩の元に、見知らぬ旅行会社から「アート旅」のモニター参加の招待状が届く。行先は瀬戸内海の直島。そこでツアーガイドに導かれ美術館を巡るうち、生きるヒントが見えてきて…。頼れるガイド・桐子が、人生に迷える旅行客に寄り添い、全国各地の美術館へと誘う。藝大出身の著者が贈る優しい連作短編集。
著者等紹介
一色さゆり[イッシキサユリ]
1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業後、香港中文大学大学院修了。2015年に第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌年に受賞作『神の値段』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
107
★★★ 旅や様々なアートとの出会いを重ねるにつれ、優彩が精神的に強くなっていくのが手に取るように伝わってくる。僕も旅行が好きだから、旅先で心のモヤが晴れたり、未来に視線が向いたりする感覚は共感できた。2025/03/28
シナモン
103
アートと旅でつなぐ連作短編集。地中美術館、河井寛次郎記念館など実在の美術館が出てくるので、いっしょに旅をしている気分に浸れます。アートを目的とした旅、いいなぁ。ユリイカーギリシャ語で「わかった!」という閃きの瞬間。旅でなくてもこういう感覚、大事にしたい💡ちょっとしたミステリ要素も絡んで読み応えもありとても楽しめる一冊だと思います。2024/03/24
Sato19601027
96
直島でジェームズ・タレル作「オープン・フィールド」に感激したことを思い出した。著者が「普段アートに縁がない人々が、旅先でアートに出会って、心を動かす話を書きたい(文春オンラインインタビューより)」と挑んだ小説。梅村トラベルがツアーガイドする地中美術館(直島)、河井寛次郎記念館(京都)、碌山美術館(安曇野)、DIC川村記念美術館(佐倉)のアート旅を描く連作短編。碌山美術館の旅に参加した女性が、若かった頃の自分と、その当時の情熱に出会った時に流す涙がとても良い。やさしい小説に出会えた喜びでいっぱいになる。2025/01/23
みかん🍊
77
次作の『モネの宝箱』を先に読んでしまったので、こちらに戻って優彩と桐子の出会いを確認、失業中直島へのアートの旅に招待され桐子と共に直島を旅する、実は二人は以前に縁があり優彩は思い出せないが桐子に誘われアートに特化した旅行会社で一緒に働く事になり、地中美術館、河井次郎記念館、碌山美術館、DIC川村記念美術館へお客さんをアテンドする二人、何処も行った事がなかったが、一度訪れてみたい場所になった、アートは自分を見つめ直しアートの中に入って考える事が出来る、「人生、はじめては一度きりしかないからね。」2025/02/24
いたろう
67
勤めていた画材店が閉店してしまった優彩が、アートを巡る旅行を手掛ける梅村トラベルで働き始める話。実在する美術館、アート作品が出てくるので、まるで美術館の紹介記事や旅行記を読んでいるような気になり、なかなか楽しい。全4話、優彩が梅村トラベルで働くことになるきっかけのツアー、直島に始まり、河井寛次郎記念館等の京都の美術館、安曇野の碌山美術館、そして、佐倉のDIC川村記念美術館。DIC川村記念美術館は、来月、2025年3月で閉館になるが、本作を読んで、やっぱり惜しいと感じた。続編もあるようなので、読んでみたい。2025/02/08