出版社内容情報
仕事を失い落ち込む優彩の元に、見知らぬ旅行会社から「アート旅」のモニター参加の招待状が届く。行先は、瀬戸内海の直島。そこでツアーガイドに導かれ美術館を巡るうち、生きるヒントが見えてきて……。頼れるガイド・桐子が、人生に迷える旅行客に寄り添い、全国各地の美術館へと誘う。藝大出身の著者が贈る優しい連絡短編集。
内容説明
仕事を失い落ち込む優彩の元に、見知らぬ旅行会社から「アート旅」のモニター参加の招待状が届く。行先は瀬戸内海の直島。そこでツアーガイドに導かれ美術館を巡るうち、生きるヒントが見えてきて…。頼れるガイド・桐子が、人生に迷える旅行客に寄り添い、全国各地の美術館へと誘う。藝大出身の著者が贈る優しい連作短編集。
著者等紹介
一色さゆり[イッシキサユリ]
1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業後、香港中文大学大学院修了。2015年に第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌年に受賞作『神の値段』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
152
『旅行って、人生を見つめ直す時間だと思うんです』。そんな桐子の言葉をきっかけに『ツアーアテンダント』としての日々をスタートさせていく主人公の優彩の姿が描かれるこの作品。この作品では、そんな優彩が桐子と共に日本各地へと『アートの旅』に赴く姿が描かれていました。美術館の外側の街中にもたくさんの『アート』があることに驚かされるこの作品。知らず知らずのうちに『アート』の物知りになっていく魅力たっぷりなこの作品。『人生を見つめ直す』ために、自分も『アートの旅』をしてみたい、そんな思いに強く囚われてしまう作品でした。2025/09/20
やっさん
109
★★★ 旅や様々なアートとの出会いを重ねるにつれ、優彩が精神的に強くなっていくのが手に取るように伝わってくる。僕も旅行が好きだから、旅先で心のモヤが晴れたり、未来に視線が向いたりする感覚は共感できた。2025/03/28
佐藤(Sato19601027)
106
直島でジェームズ・タレル作「オープン・フィールド」に感激したことを思い出した。著者が「普段アートに縁がない人々が、旅先でアートに出会って、心を動かす話を書きたい(文春オンラインインタビューより)」と挑んだ小説。梅村トラベルがツアーガイドする地中美術館(直島)、河井寛次郎記念館(京都)、碌山美術館(安曇野)、DIC川村記念美術館(佐倉)のアート旅を描く連作短編。碌山美術館の旅に参加した女性が、若かった頃の自分と、その当時の情熱に出会った時に流す涙がとても良い。やさしい小説に出会えた喜びでいっぱいになる。2025/01/23
シナモン
104
アートと旅でつなぐ連作短編集。地中美術館、河井寛次郎記念館など実在の美術館が出てくるので、いっしょに旅をしている気分に浸れます。アートを目的とした旅、いいなぁ。ユリイカーギリシャ語で「わかった!」という閃きの瞬間。旅でなくてもこういう感覚、大事にしたい💡ちょっとしたミステリ要素も絡んで読み応えもありとても楽しめる一冊だと思います。2024/03/24
みかん🍊
79
次作の『モネの宝箱』を先に読んでしまったので、こちらに戻って優彩と桐子の出会いを確認、失業中直島へのアートの旅に招待され桐子と共に直島を旅する、実は二人は以前に縁があり優彩は思い出せないが桐子に誘われアートに特化した旅行会社で一緒に働く事になり、地中美術館、河井次郎記念館、碌山美術館、DIC川村記念美術館へお客さんをアテンドする二人、何処も行った事がなかったが、一度訪れてみたい場所になった、アートは自分を見つめ直しアートの中に入って考える事が出来る、「人生、はじめては一度きりしかないからね。」2025/02/24