出版社内容情報
嫌いな言葉は、「料理は愛情」。
食べるのは好きだが料理が嫌いな優花は、想いを寄せる真島さんに高級バレンタインチョコを渡すも、あっさり振られてしまう。彼が付き合いだしたのは、なんと料理教室の先生だった。一念発起した優花は、自炊に挑戦したり「料理男子」と合コンしたりして、料理を好きになろうと努力するが--。
「素敵な女性=料理上手な女性」という呪縛に思い悩む優花の1年間を描いた、瑞々しくキュートな長編小説。著者による文庫版あとがきも収録。
内容説明
食べるのは好きだが料理が嫌いな会社員・優花は、想いを寄せる男性に高級バレンタインチョコを渡すも、あっさり振られてしまう。彼が付き合いだしたのは、なんと料理教室の先生だった。一念発起した優花は自炊に挑戦し、料理を好きになろうとするが―。片思いの相手と手作り料理への愛憎の念が入り混じった、瑞々しくキュートな長編小説。
著者等紹介
佐々木愛[ササキアイ]
1986年、秋田県生まれ。青山学院大学文学部卒。「ひどい句点」で、2016年オール讀物新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
33
ずっと好きだった真島に高級バレンタインチョコを渡すも、料理が下手でフラれた優花。彼が憧れていた相手は料理教室の先生だったことから、料理を好きになろうと奮闘する物語。一念発起自炊に挑戦して、料理男子と合コンしたりする一方、自炊しなくてもいい充実した街に引っ越したり、自炊をしない後輩に共感し、料理を作ってくれる男にアプローチされたりで、どうあるべきかで心揺れる彼女の葛藤は切実でしたけど、そんな「料理は愛情」という呪いに囚われながら、上手く行かない自分にしっかり向き合った彼女のありようがとても愛しくなりました。2023/05/09
陽ちゃん
7
初っ端の描写でドキッとしましたが、読み進めてそういうことかと納得。料理が嫌いな優花が好きになったのは、「料理は愛情」と言う料理教室講師の沙代里さんが好きな真島さん。何とか料理を好きになろうと奮闘しますが…。かなり面倒くさい思考回路の優花ですが、百合子や東当さんといったむちゃくちゃいい人達が周りにいるってことは、人としては付き合いやすいのかな。好きだと言ってくれる人を好きになれるのが理想的なんでしょうが、こればかりは、ネ。2023/12/27
まる
4
好きな人である真島の好きなタイプは「料理が好きな人」。でも優花は料理が嫌い。バレンタインに溶かして固める"手作り"チョコを作らず高級チョコを渡すもフラれる優花。真島はずっと片思いしていた料理教室の先生と付き合うという。嫌いな料理を好きになろうと優花は一念発起するがー。料理はどうしても好きになれないのに(どう見てもダサいダメ男っぽい)真島はどうしても嫌いになれない優花の思考に共感したり笑ったり。ぐるぐると迷走しまくる優花を追いかけるうちに自分はどうなんだと考えたり…。このぐるぐるさが楽しい1冊でした。2023/07/10
チェス
4
うーん、なんとも2023/06/13
Shoko
2
どうしよう、すごく共感。とりあえず気持ちが通じ合わなくてもちゃんと向き合ってくれた真島さんが嫌いになれない。ダメ野郎だけど。脳内イメージは中島歩さんで。2023/08/13