出版社内容情報
定年退職しシェアハウスに越してきた独身の乾明子。
借りたままの本や名簿から、映画を見ているかのように地方の共学の公立高時代が蘇る。胸キュンもスマホもなく地味なだけ。でもなぜあんなにオカシかったのだろう。
これまでの青春小説がとりこぼしてきた部分を掬った、すべての大人に贈る青春小説。
解説・タカザワケンジ
内容説明
定年退職しシェアハウスに越してきた独身の乾明子。借りたままの本や名簿から、映画を見ているかのように地方の共学の公立高時代が蘇る。胸キュンもスマホもなく地味なだけ。でもなぜあんなにオカシかったのだろう。これまでの青春小説がとりこぼしてきた部分を掬った、すべての大人に贈る青春小説。
著者等紹介
姫野カオルコ[ヒメノカオルコ]
1958年、滋賀県甲賀市生まれ。青山学院大学文学部卒業。画廊事務などのアルバイトを経て、90年出版社に持ち込んだ『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー。2014年『昭和の犬』で直木賞、19年『彼女は頭が悪いから』で柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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わいほす(noririn_papa)
9
機会があれば読みたいと思っていた作家さんで、同世代の昭和の青春がテーマと聞けばもう(笑)。が、やはり曲者の作家さんらしく、かなり偏った家庭と性格の女の子が主人公で、なかなかその世界に入り込めず、このズレをどうしようかと思っていたところに、ミッシェル・ポルナレフの名前が。。。今も私の手元にある返しそびれたミッシェル・ポルナレフのCD。若干大人になってからの思い出だけど、ついほろ苦く聴いてしまったではないか。最後の還暦の同窓会での思いはシンクロした。私たちはコロナでまだ還暦の同窓会が開けていないままだけれど。2023/06/17
Gaooo
8
むちゃくちゃな両親のもとでその支配を受けながらも、学生生活のあれやこれやを体験する主人公。クセのある姫野ワールドを堪能2023/07/30
りょう
5
年代が近いのか、あれこれ知ってることが一杯でなつかしくはあったけど、あたしの思い入れと著者の思いがかなり異なるのか、さほどのめりこめずに、ちょっと退屈。自分の思い入れをもうちょっと、突き放して書いたほうがあたしは好みかなぁ。2023/06/25
カノープス
5
【きみにはわからない、きみの年齢では】。作中に引用されたミッシェル・ポルナレフのフレーズが本作を象徴している。最終章にかけて表現するなら、春の桜を何回見たことがあるか、あと何回くらい桜が見られるかという心境になった時に初めてわかるもの。ある種、とっ散らかった印象すら受ける文体は、主人公がおぼろに思い出す青春の日をうまく表している。老境における青春回顧録で青春小説の変奏曲だが、紛うことなき昭和の青春である。2023/05/28
まこ
4
初読み。 私より少し年上の主人公明子(めいこ)。現在はシェアハウスに住みながら、高校時代を回想する形ですごく鮮明に描かれる。 こんなに鮮明ということは明子にとって高校時代は楽しくいい思い出なのだと思う。 ある意味羨ましい。2024/06/29