内容説明
婚約を破棄され、仕事だけの日々を送っていた三十五歳の妃斗美。恋愛も結婚も封印し、ひとりで生きていくため、理想の家を買った。そんな矢先、金色の目をした「小さくて温かいもの」に運命的に出会い…。手に入れた二つの“幸福”は彼女に何を与え、何を奪っていったのか。「幸せ」の意味を問い直す、傑作長編。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。93年「おとぎ話」で「海燕」新人文学賞、2005年『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、09年原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』でボローニャ国際児童図書賞、19年『ある晴れた夏の朝』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
93
猫が表紙のこの本を見かけて手に取りました。飼っていた猫が作者に教えてくれた"幸福とは何か"について小説にしたものだそうです。愛することを捨てた主人公。彼女の葛藤はアラフォー女が陥りがちな屈託をよく表していると思いました。そんな彼女が野良の子猫を拾い、一緒に暮らすことで再び愛することを取り戻していく姿は良かったです。猫との暮らしは、幸福に溢れていますものね。でも、主人公は猫よりも男との繋がりを心の奥底で求めているようで、そこがちょっと... 猫と暮らすことの幸福をもっと読みたかったです。2023/09/24
seba
20
三十五歳の妃斗美は、七年以上前に婚約破棄されて以来仕事に精励し、現在は雑誌の副編集長に任ぜられている。習慣の読書の中で出合う人生哲学に対し、今の自分には響かないと感じることもしばしば。自分にとっての幸せの形がわからなくなってきたところ、ふと思い立ちキャッシュで一戸建ての家を購入。なるほど空っぽの家の中になら、どんな形の幸せも容れることができるだろう。するとある日、道端に捨てられた仔猫と運命的に出会う。自分にとっての幸せを探すにしても、まず行動力の源や心の拠所があってこそ、適切な選択ができうるのだと思った。2025/01/06
Nobuko
4
図書館本 初読み作家さんかなぁ 2025/04/14
fukufuku
4
にゃんこと暮らす私はもちろん立派な猫バカだ。猫関係のものはつい見たくなる。読みたくなる。欲しくなる。本書も猫愛を期待して読んだわけだが、他人様の猫愛はあまりハマれなかった。たぶん、主人公の境遇が遠かったことと、にゃんこの飼い方にあちこち違和感を覚えたからかと思う。また、絵本作家志望の若い男の子の存在はかなり邪魔。ちょっとキモいすらある。2025/01/15
まひろん
1
主人公のテンションについていけない。全然好きになれない主人公でした。最後も作り物感満載。2024/12/11