内容説明
札幌の珈琲店「タセット夕暮れ堂」には、後悔を抱えた人を過去へと連れていき“やり直し”をさせてくれる魔女がいるという。チャンスは一度、珈琲を淹れる4分33秒の間だけ。果たして今日のお客は未来を変えられるのか、それとも同じ過去を繰り返して時間遡行を終えるのか―。優しくもちょっぴり苦い、感動のファンタジー。
著者等紹介
太田紫織[オオタシオリ]
1978年、北海道札幌市生まれ。2012年、小説投稿サイトE★エブリスタで発表した「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」でE★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門(角川書店)優秀賞を受賞しデビュー。同作はシリーズ化されベストセラーとなり、アニメ化・テレビドラマ化もされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寂しがり屋の狼さん
62
札幌の珈琲店『タセット夕暮れ堂』には、後悔を抱えた人を過去へと連れていき“やり直し“をさせてくれる魔女がいるという。チャンスは一度。珈琲を淹れる4分33秒の間だけ…(◕ᴗ◕✿)モエレ沼公園、ガラスのピラミッド…久しぶりに行ってみようかな🐾🐾🐾☕2023/10/26
へくとぱすかる
59
タイトルからすぐに、ジョン・ケージのあの音楽を思い浮かべる人は多いだろう。そういえばなぜ4分33秒なのか。それがちょうど人が何ごとかひとつだけを行える、ギリギリの時間だからかもしれない。心身ともに傷ついたまま中学生になった陽葵(ひまり)が、とある喫茶店にたどり着いて、出会ったのは過去をやり直せるタイムトラベル。身近な人たちの人生との出会いと、幸福とは何かを考えさせてくれるハートウォーミングなファンタジーで……、いやしかし陽葵のお母さんって、どうしてああなんだろう。子どもは親のものじゃないのに。続編に期待。2023/07/31
なっぱaaua
53
「後悔している時間を、やり直せる」苦い記憶を4分33秒だけやり直すことができるというタイムファンタジー。太田さんの作品は「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズを読み切ったので今度はこちらに。舞台は北海道。主人公陽葵は中学生。留学先のイギリスで手を怪我してピアノが弾けなくなってしまった。初登校の際に元気をくれた杉浦さんから教えてもらって入った札幌の珈琲店「タセット夕暮れ堂」。そこに居た時花さんと日暮さんは時間を戻せるのだという。~続く~2023/04/23
ひさか
35
2023年4月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。一度きりの前奏曲、きれいな独唱、小鳥たちの二重奏、月と円舞曲を、の4つの連作短編。タイトルの4分33秒というところが気になりましたが、意味はなさそうで残念。時間改変に立ち会える岬陽葵の能力にはそれほど興味を惹かれませんでした。楽しさも少なかったです。2023/05/29
よっち
34
手を怪我してピアノが弾けなくなった中学生・陽葵。引っ越した札幌の珈琲店「タセット夕暮れ堂」で、後悔を抱えた人を過去へ連れていきやり直しをさせてくれる魔女と出会うファンタジー。失意の陽葵を励ますおばあさんが教えてくれたお店の秘密。チャンスは一度、珈琲を淹れる4分33秒の間だけ。言いたい放題言う女性客の後悔、そして親友だった友人のためにもう一度時を飛ぶ陽葵。時守として時を跳ぶ力は得ても自分自身の後悔は取り戻せなくて、複雑な想いを抱える彼女がこれからどう生きるのか、思わぬ波紋もあったりで楽しみなシリーズですね。2023/05/07