内容説明
江戸文化の残る東京に生まれ、株屋や役所などで働きながら映画と芝居に熱中した池波正太郎。戦後は長谷川伸に師事し、三十を過ぎて小説執筆を始める。みずからを職人と見立てることで、『鬼平犯科帳』を始めとする多くの優れた小説、エッセイを遺した。気鋭の批評家が軽快な語り口で池波ワールドの魅力に迫る。
目次
遠い日の幻影
江戸の風韻
師弟の様子
歴史を見つめる眼
善人でもなく悪人でもなく
池波小説は美人に冷たい!?
「省略の余韻」と「簡潔の美」
江戸っ子ぶらない
会話と人物造型
不器用な名人
「才能」と「意匠」
命名の達人
『鬼平犯科帳』の斬新
「歴史」と「小説」のせめぎ合い
反歴史主義
等身大史眼
著者等紹介
里中哲彦[サトナカテツヒコ]
1959(昭和34)年生まれ。現在、河合文化教育研究所研究員(「現代史研究会」主宰)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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