内容説明
主である信長を討った明智光秀、極悪者と忌み嫌われた松永久秀、父を死なせ弟を殺した伊達政宗、火付盗賊改方で生涯を終えた長谷川平蔵、龍馬や西郷を犠牲にし、維新を生き抜いてしまった勝海舟。歴史の流れの中で、理想や志と裏腹な決意をせねばならなかった男たちの無念と後悔を描いた、傑作歴史小説集。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。97年、小説CLUB新人賞佳作を受賞。2001年『竜門の衛』でデビュー。10年『孤闘 立花宗茂』で第16回中山義秀文学賞を受賞。14年「奥右筆秘帳」シリーズで第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。22年「百万石の留守居役」シリーズで第7回吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
73
本意に非ず。明智光秀,松永久秀、伊達政宗、谷川平蔵、勝海舟、時代の流れの中で真逆な決断、不本意な行動しなければならなかった無念や後悔感じられました。 2022/12/26
Smileえっちゃん
35
主である信長を討った明智光秀、父を死なせ弟を殺した伊達政宗、火付け盗賊改方長谷川平蔵、龍馬や西郷を犠牲にして維新を生き抜いた、勝海舟、流れの中で理想や志と裏腹な決意をせねばならなかった男たちの無念と後悔を描いた歴史小説。2024/03/24
金吾
24
思っていたのと違う人生を歩むことになった5人です。流布されている話とは全然違う解釈です。しかしありうるかもという部分もありました。明智光秀、長谷川平蔵が面白かったです。2025/06/10
ぶんぶん
24
【図書館】歴史とちょっと違う解釈をして物語を成立させる、もしかしてそうなのかもと思わせる新解釈。 明智光秀、松永久秀、伊達正宗、長谷川平蔵、勝海舟、5人があの時そうでなかったらと悔やむ物語。 歴史書と言うものは勝者に都合の良いものになるものだか、だからこそ色々な解釈があって然るべきものだろう。 見かたを変えればそうなのだろうと言う解釈を教えてくれる、アイデアをくれる本。 その場で見て来たもので無いから、いろいろな見方があるなあと感心する。 上田氏は他にも同事件で違う視点もありそうで面白そうである。2024/07/07
リュウジ
11
★3 短編×5。登場するのは、光秀、久秀、政宗、平蔵、海舟が語る西郷と竜馬といずれも誰もが知る人物。だが描かれたその顔つきは“知る人”とは大きく違う。光秀なんて本能寺の直後なのにモチベ低いし、久秀は主人思いのとても良い奴。政宗は短気で思慮浅く、平蔵はべらんめえじゃない。英傑たちといわれてた人たちも実は欲得で動いてたんじゃないか、そしていずれもが「思ってたのと違う」結末を甘んじて受け止めたんじゃないか。解釈によっては案外こっちが実像なのかも・・・と思わせる筆力。最後の西郷と竜馬はファンの人が喜ぶ人物像かな。2023/05/28
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