出版社内容情報
表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕!
第一話は、いたいけな少女・おしんがお竜と名を変えて「地獄への案内人」の道を歩むまでが描かれます。幼い頃に父からDVを受けてきたおしんは、母と家を逃げ出すが、その母も過労で亡くなり天涯孤独の身に。母親の薬代のためにつくった借金を抱えたおしんだが、親切顔で近づいてきたやくざの林助に騙され、盗品の運び屋や、美人局の片棒を担がされるなど、悪の道にひきづりこまれてしまいます。
とあることがきっかけで、武芸の達人・北条佐兵衛に助けられて自由の身となったおしんは、天賦の才があったのか、達人から教えてもらった武術を乾いた砂が水を吸うようにわがものにしてゆきます。「お前の才能は、お前のように困っている女性のために使うのだ」という師匠の言葉を胸に、師匠の紹介で仕立屋「鶴屋」から仕事をもらうようになります。そしてお竜と名を変えて、女をいたぶる悪人を退治することを決意。そんなある日、因縁の男と再会することになって……。
お竜の庇護者となる仕立屋の主・鶴屋孫兵衛、鶴屋の碁敵で謎のご隠居・文左衛門、そして鶴屋の用心棒で、ちょっととぼけた吉岡流剣術の使い手・井出勝之助など、お竜の脇を固める登場人物たちも魅力たっぷり。そして何よりの読みどころは、お竜の艶やかさと痛快アクションシーンです!
内容説明
腕の良い職人が暮らす八百蔵長屋で仕立屋を営むお竜。普段は老舗の呉服屋・鶴屋から仕事をもらっているが、それは表の顔。ろくでなしの父親の元で育ち極道な夫に翻弄された女が、武芸の師匠と出会ったことで、過去を捨てて裏の仕事を請け負う「仕立屋お竜」となったのだ。女の敵は放っちゃおけない、痛快時代小説の開幕!
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹株式会社に入社。同社の90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。86年、南座「新必殺仕事人 女因幡小僧」で脚本家デビュー。その後、劇場勤務、演劇製作の傍ら脚本を執筆する。92年松竹を退社。フリーとなり「水戸黄門」「必殺仕事人」「雲霧仁左衛門」などのテレビ時代劇の脚本、商業演劇、伝統芸能、音楽劇等多くの舞台の脚本・演出を手がける。2010年『取次屋栄三』で小説家デビュー。人気シリーズを数多く執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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