出版社内容情報
すべての幸福は食から始まる。世界一のレストランからロイヤルホストの観察記まで愛と希望と欲に満ちたミレニアル世代の食エッセイ。
内容説明
すべての幸福は食から始まる。世界一のレストランの殺気に満ちた食事に、味に表情がある学食のカレー。平和なフルーツサンド界を脅かす圧倒的存在や、想像力を逞しくさせる嫌いな味。スーパーマーケットの目を引く陳列に、真剣勝負のメニューなど、愛と希望と欲に満ちた、ミレニアル世代の傑作味覚エッセイ。
目次
食中毒宣言/ひとこと
小学生の食生活/日記
完璧ちゃん/発見
戦争を始めるフルーツサンド
なぜオニオングラタンスープのこととなるとシェフは調子にのるのか?
beyond the おいしい
滑稽ディナー
箱入り娘
ごちそうさま誰に言えばいいのか問題
文化経済資本の見せびらかし〔ほか〕
著者等紹介
平野紗季子[ヒラノサキコ]
1991年福岡県生まれ。フードエッセイスト。小学生の頃から食日記をつけ続け、慶應義塾大学在学中に日々の食生活を綴ったブログが話題となり文筆活動をスタート。雑誌等で多数連載を持つほか、ラジオ・Podcastのパーソナリティやテレビ番組への出演、菓子ブランド「(NO)RAISIN SANDWICH」の代表を務めるなど、精力的に食にまつわる発信・企画を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
97
平野紗季子さんを前から知っておりフードエッセイが文庫本になったため買ってみた!やっぱり面白いなって思える本であった!平野さんは食に対してすごく誠実に向き合っている。まずいものはまずい。うまいものはうまい。でもまずいものを否定するのではなくそれをほかでは出せない味と表現している。平野さんが主張しているのはなにも考えないで料理を提供しているお店である。まずくても美味しくてもその考えがないお店は好きではないらしい。平野さんのエッセイを読むと料理って相手について深く考える哲学のように感じられる!2022/07/30
しいたけ
81
タイトルに惹かれて手にとった。「ミレニアル世代の傑作味覚エッセイ」との説明さえ読んでいなかったが、ミレニアル世代とは程遠いとの自覚が欠如していたのでどっちにしろ手にしただろう。川口葉子イメージで読み始めたのだから、無知って怖い。ミレニアル世代の言葉のチョイスの破壊力に圧倒された。味覚の記憶は刹那のもので、真剣に対峙するもの。腐るものの美しさ。食べ手は食べ物の絶頂だけを心に留める。「ああ、今にも腐りそうなアンパンマンの神々しさよ」。そんなことを教えられたどっぷり昭和世代。2022/07/18
fwhd8325
65
食事を飾らない言葉で表現しています。素敵だと思います。作品の中で『本音の「いただきます」と「ごちそうさま」は美味しいものを食べてはじめて言えるんだ』と語っています。本音で語る言葉の本質がここにあると思いました。2024/12/04
pohcho
53
友人が貸してくれた本。食のエッセイ。何が流行っているとか他人がどうとかは気にせずに、アンパンマングミからガストロノミーまで、自分の感覚だけを頼りに自由自在に書いていらして、それが面白いのがすごい。共食孤食問題はわかるわかると思った。人と一緒に食べると食事に集中出来ないし、かといって一人で外食すると緊張するし、ちゃんと味わうのってなかなか難しい。ロイホの小林さんの話が面白かった。写真もたくさんあり雑誌を読むように楽しめた。私ももっと自分の感覚を磨きたい。2022/11/22
chiseiok
49
タイトルがイキってます(^_^;)。巻頭に画像記載の食べ歩き日記(明らかに小学生の時分にNOBU tokyo行ってる…)のコメントがまたこまっしゃくれてる笑。はいはい…と、ちょっと斜に構えながら読み始めたけれど、あやぁ〜感性鋭いですわ。エッセイという括りですが、写真集とも詩集ともいえますな。決して古いもの全否定ではなく、柔軟な感覚であらゆる食べ物と真剣勝負、好きと嫌い、旨いと不味い、更に不味さのその先を語るのは小気味良い。自分も神谷町ロイホのスーパーギャルソンのサービス見学に行きたいな〜まだいるのかなぁ。2022/08/04