文春文庫<br> ストーカーとの七〇〇日戦争

電子版価格
¥1,001
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

文春文庫
ストーカーとの七〇〇日戦争

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167918507
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

交際八か月の男と別れようとした。男は豹変し、SNSでの攻撃が始まる。著者は警察に相談するが、法制度は現実に追いつかず……。

内容説明

交際していた男と別れようとした。始まりはただそれだけだった。男は執拗なメッセージを送りつけ始め、やがて脅し文句が飛び出す。友人への危害を恐れた著者は警察に相談するが、そこで直面したのは、現実に追いついていないストーカー規制法の限界だった。当事者にしか書けない、渾身のリアルドキュメント。

目次

1部(別れ話;前科;島に来たA;被害届;供述調書;逮捕;検事;示談;I弁護士;示談交渉;釈放)
2部(コンタクト;LINEメッセージ;示談違反;M弁護士;孤独な闘い;2ちゃんねる;弁護士の論法;護身術;IPアドレス割り出し;長い手紙;初めての謝罪;加害者心理;小早川先生)
3部(イマドコサーチ;「臨床」の必要性;再逮捕;意見陳述 公判;判決;仮釈放;終わりなき闘い;未然に防ぐこと。そして治療に向けて)

著者等紹介

内澤旬子[ウチザワジュンコ]
1967年、神奈川県出身。文筆業、イラストレーター。2011年、『身体のいいなり』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NADIA

39
ストーカー被害というのはいかに理不尽で辛く、そしてなかなか解決しにくいものかということが切々と伝わってくる。が、「加害者からこんなメールが届いた」「警察からこのように対応された」「弁護士が無神経だ」ということがいちいち書かれていて話がなかなか進まない。文章は平易なのに非常に読みづらい。怖いと怖いと言いながら、いまいち作者が本気で逃げようとしているように思えないと私にも感じられたのも、今一つ感情移入しにくいところ。それでも失うものがない、いわゆる「無敵の人」の怖さだけはしっかり肝に銘じたよ。2023/08/15

マッピー

12
不安がどれだけ冷静な判断を阻害するのか。恐怖はどれだけ突然にフラッシュバックするのか。残念ながら日本の法律ではその辺の考慮は全くなく、事件が凶悪化するのを防ぐことも再発を防止することもできない。警察も弁護士も頼りにはならない。最初は、著者の態度が手ぬるいのではないかと思った。でもそれは、彼女がことばを使う仕事を生業にしているからなのではないか。残念なことに、どんなに心を込めて話しかけても、言葉をつくして語りかけても、全く響かない人というのはいるのだ。もっと実効性のある制度の構築を早急にすべきである。2023/12/01

ぴんく

10
なんとか頑張って書き上げましたね!おつかれさん!てのが読後の率直な感想。ストーカー事案について、被害者としての体験を終始にわたって赤裸々に描写し、被害者として振り返りたくないあれやこれやを綴っている。そして理不尽とも思えるやりとりとその憤りから、提言や対策、各方面への感謝の言葉。紛れもない本心でしょう。まだまだ社会が、ニアリーイコール法律が追いついてないのです。もはやすっかりポンコツ職業認定された国会議員たち、法整備は大事な本職だろよ、利権ばかり気にしてないでしっかり仕事しろよ。2024/05/18

そのじつ

9
恋人がストーカーに変わった瞬間が当人の筆で描かれる。この不条理と恐怖。内澤さんのくだけた口調で聞いても恐い。その後に続くのは自分が雇った弁護士との通じ合わなさとの戦い。警察の出来る事出来ない事との間で、結果自分で自分の身を守るしかない現実。心細さと他者の気遣いの温かさにもみくちゃになりながら、著者は少しずつ歩を進める。いつ終わるとも知れない闇のなか。ずっとつきまとい続ける「あの時のあの行き違いがなければ」という念。喉元に刺さった楔のように著者を苦しめ続けるが、この思いがあったればこそ結末に辿り着けたのかも2024/08/17

ランフランコ

6
面白いと言っては被害にあった著者には大変失礼だが、でもやっぱり面白かった。ストーカー被害の臨場感に溢れていた。ストーカーなどと言うものに会ってしまったら、こんなにも大変な事になるというのがよく分かった。現在はもう少し法整備が進んでいるようだが。この連載をしている段になっても、加害者はろくに反省もせず逆恨みを増幅しているようだが、著者はその後大丈夫だったのだろうか?そこは非常に心配だが。2023/11/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19295829
  • ご注意事項

最近チェックした商品