出版社内容情報
春の潮干狩り、夏はやっぱり江戸前穴子、秋は梨柿葡萄と果物三昧、冬の葱鮪鍋は風物詩――江戸の豊かな食材八十五と食文化を紹介。
内容説明
春が来ると多くの人が潮干狩りに出かけ、郊外の野山ではつくし摘み。夏は辛子入り汁で食べる素麺、井戸水で冷やした胡瓜で暑さを忘れ、秋はそこかしこに焼き芋売り。葱鮪鍋や鯨汁は冬の風物詩―人口百万を超える巨大都市・江戸の、豊富な食材と驚きの食文化を紹介。この一冊で、今日から時代劇や歴史漫画の見方が変わる!
目次
春(白魚;浅蜊 ほか)
夏(茄子;鰹 ほか)
秋(松茸;鮭 ほか)
冬(葱;砂糖 ほか)
無季(豆腐;醤油 ほか)
著者等紹介
青木直己[アオキナオミ]
1954年、東京都生まれ。立正大学大学院博士後期課程研究指導修了。立正大学文学部助手を経て、89年株式会社虎屋に入社、虎屋文庫研究主幹として和菓子の歴史と文化に関する調査・研究に従事。2013年同社を退職、現在は東洋大学・立正大学などで講師をするほか、時代劇ドラマや漫画の食文化考証を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あんPAPA
11
著者の「下級武士の食日記」が借りられなかったので、こちらを読んでみることに。本文中で紀州藩氏坂井伴史郎が度々登場するので、この人が件の食日記の主人公かと想像する。こういった雑学列挙方式の本は資料的価値はあるのかもしれないが、「この年になるまで知らんかった!」とか「そう来るか?スゲェ~!!」と云う発見や感動が少ないのが難点ではある。しかし、萵苣(レタス)がキク科とは知らんかった。結球してトウが立って開花するのでキャベツと同じアブラナ科と思い込んでいた。まだまだ修行が足りません・・・。2022/09/14
END
9
レタスって江戸時代からあったんだー!鶴も食べれるなんて知らなかった。今の料理の基になったものや郷土料理として残ってるものも多いので、それ以外はそこまで珍しいとは思わなかったかも。紀州和歌山藩の酒井伴四郎が多く出てきたけど、有名な人なのか?2022/02/26
kmzwrs5781
1
時代小説を読んでいて出会うあの時代の食文化。こういうことかな、程度で理解していた情景がこの本のおかげでよく分かるように。時代を経て甦る江戸の街並みや庶民の生活を知ることができるいい機会になる一冊。現代とは違う食材の調理方法、食事処での提供方法、まさかの食べ方にも驚き。それに映画やドラマの映像作品で使われる小道具に時代考証の理解不足で間違いがあるとは。見方が変わって違った意味で楽しめる気がする。2024/08/22
ゆう
1
食文化を通じて江戸の情景を知る一冊。 現代を生きるわれわれが普段何気なくスーパーで買って食べている野菜や魚が、どういった経緯でこの関東の地に根付いていったのか、どのように調理し食べていたのか知るのは楽しい。 たびたび紀州和歌山藩の下級武士・酒井伴四郎の日記ネタも出てくるので、著者の過去作である『幕末単身赴任 下級武士の食日記』 を先に読んでおくことをおすすめしたい。 いつか江戸を舞台に作品を作りたいと考えているので、この本は資料としても役立つと踏んでいる。2024/03/29
陸
0
知らないことがいっぱいだし、おいしそうなものもいっぱい。料理法も書いてあるから気になる。テーマの食べ物の歴史についても書かれるから、江戸よりもっと古いころの話もあって面白い。牛と豚が食べられていたことに驚いた。2023/12/24