出版社内容情報
眉月との再会、そして酒匂一派との最後の決戦へ!
長崎の地で福岡藩黒田屋敷の剣道場に加わり、
稽古を繰り返す坂崎空也。
そこに薩摩の眉月から、
江戸へ戻る途中に長崎に立ち寄るとの文が届く。
心待ちにする空也だが、
一方で、酒匂兵衛入道の嫡男・太郎兵衛が
鹿児島の屋敷から姿を消し、
長崎に向かった可能性が浮上する。
どこに逃げようと、酒匂一派から逃れることはできない。
覚悟を決めた空也がひとり、向かうのは……。
内容説明
長崎の地で福岡藩黒田屋敷の剣道場に加わり、稽古を繰り返す空也。そこに眉月から、江戸へ戻る途中に長崎に立ち寄るとの文が届く。しかし、酒匂兵衛入道の嫡男・太郎兵衛が鹿児島の屋敷から姿を消し、長崎に向かった可能性が浮上する。どこに逃げようと、酒匂一派から逃れることはできない。覚悟を決めた空也が向かうのは…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
67
江戸は神保小路の直心影流尚武館道場、十代目道場主・坂崎磐音の嫡男・空也の武者修行の物語です。寛政十年(1798)、夏。薩摩藩領内加治木の薬丸道場から、武名を挙げようと江戸で道場を開いた野太刀流の薬丸新蔵は、酒匂(さこう)兵衛入道の次男・次郎兵衛との尋常勝負に勝つ。坂崎空也19才は、長崎での修業の日々を送っていたが酒匂兵衛入道の息子三人の最後の長男・太郎兵衛と真剣勝負をして、身に太郎兵衛の太刀を受けた直後、空也の意識が途絶えた。🌿続く→2022/05/31
yamatoshiuruhashi
46
江戸、長崎それぞれでの示現流との勝負は一応の決着は見たようだが、「十番勝負」とは言うものの、作者はここで筆を置いていたとのこと。決定版刊行にあたり新たに書き継ぐらしいが、勢いが一度止まったところで描き始めるのも難しいだろうし、雰囲気が大きく変わるのではないだろうか。それは次回のお楽しみ。2021/12/13
一五
10
中断してた空也 剣戟場面が多いのは楽しい。眉月と再会したのに つかのまで 又、腕をみがく日々。2023/10/01
鬼山とんぼ
3
5年前通常版を読んだが決定版の方は未読だった。一応完結したはずが続編も書かれていたので、何かあると思い付いて手にしたのである。本文の内容はほとんど記憶が飛んでいたが、あとがきが印象に残った。熱海の災害やコロナ禍を経て、作者の心の痛みやまだ書かねばならないという思いと、一貫して市井の剣豪を主人公として読み切りシリーズを続け、戦国期や維新期の英傑がほとんど登場しない佐伯泰英独自のスタイルが吐露されており、一読の価値があった。2025/01/18
ボタン
3
決闘シーンはいつも短くワンパターンだがそれで良いと思う。2023/02/14