出版社内容情報
大火は日本橋を焼き尽くした。人々は復興にむけて知恵を出し合う。佳乃と花魁が企てた前代未聞
の催しとは?感動の第三巻。
内容説明
梅の神木を炎から守り抜いた佳乃と周五郎を中心に、復興にむけ動き出す照降町。花魁・梅花から「新しい下駄」の制作を託された佳乃は、大火で命を落とした人々の鎮魂のための催しを思いつき、吉原の会所と旦那衆、職人に協力を願う。7月15日、照降町に前代未聞の光景が広がった―感動に包まれる人波の中、周五郎に不吉な知らせが。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
104
このシリーズ三作目で江戸の大火事以降のこの町の復興が描かれています。工夫して船の上で履物を売ったりしています。主人公の家も履物屋の助力のおかげで再建されてその弟子も同居できるようになります。また吉原の大夫の下駄をつくっていく有様なども楽しめました。ただやはり不穏なにおいが漂ってきます。弟子の実兄がもとの藩の内紛で殺されたという情報がもたらされます。いよいよ最後の巻が楽しみです。2021/06/16
タイ子
86
シリーズ第3弾。江戸の大火で全てを失った照降町も少しづつ活気を戻していく。佳乃の鼻緒屋も新しく建て替えられ、周五郎も一緒に住む手配もできる。吉原花魁の梅花の花魁道中用の下駄も出来上がり、梅花は照降町にとって思いがけない光景を披露してくれる。何もかもが上手く行きすぎて、こういう時には好事魔多しで何もなければと願いつつ、やはり不吉な知らせが周五郎の元に。果たして周五郎はこのまま照降町に留まるのか、あるいは…。令和の困難な時代にエールを送るがごとく書かれた作品だと思うので皆が幸せになって欲しいと願うばかり。2021/06/16
やま
83
鼻緒職人の佳乃の工夫に驚かされます。シリーズ3作目。字の大きさは…中。物語は、巳丑(きちゅう)あるいは文政の大火と称される火事で文政12年(1829年)春に焼失した江戸の町に暑い夏が巡ってきた日から。照降町で梅花花魁の花魁道中が行われた7月15日に、豊前小倉藩小笠原家・八頭司(やとうじ)家の当主で周五郎の実兄・裕太郎が藩の改革派の面々に殺された知らせを受けて周五郎が、藩邸へ向かうところまでです。🌿続く→2021/08/01
とし
79
照降町四季「梅花下駄」3巻。己丑の大火の復興編、御神木の古梅の木に様々な恩を頂いた恩返し、佳乃、周五郎、幸次郎宮田屋、若狭屋、照降町の人々の心意気、圧巻は落籍する花魁梅花から最後の花魁道中で使用する三枚歯下駄を依頼され職人魂を込めて佳乃がこしらえ、照降町にも花魁道中をし古梅の木のこうべを垂れる梅花と佳乃感動でした。 2021/09/17
真理そら
73
芝居の話やら花魁道中やら舟商売やら周五郎の藩の内紛やら盛りだくさんで楽しめる。次で完結するけれど佳乃と鼻緒屋に同居することになった周五郎はどうなるんだろう。どうしても中越典子さんと山本耕史さんのイメージで読んでしまう。2021/06/09
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