文春文庫<br> だるまちゃんの思い出 遊びの四季―ふるさとの伝承遊戯考

電子版価格
¥800
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

文春文庫
だるまちゃんの思い出 遊びの四季―ふるさとの伝承遊戯考

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167916961
  • NDC分類 384.5
  • Cコード C0195

出版社内容情報

〈第23回日本エッセイスト・クラブ賞〉〈第15回久留島武彦文化賞〉受賞。
生誕92周年に記念復刊した名エッセイの文庫化。

1926年に福井県の小さな町で生まれ7歳まで過ごした。自然豊かな地でのびのびと自由に遊んだ経験をもとに、ごく平凡な子供の遊びを綴った本。
とはいえ、ただ昔を懐かしむものではなく、子供自身が何を考え、どう感じ、様々な思考と準備を経て、生活や人間関係の悩みや葛藤も抱えながら「遊んでいた」のか――。大人の目ではなく、子供の心になって遊びを見つめてきたエッセイ集。

目次より抜粋
「ささ舟さらさらー春の遊び」 花占い/ぺんぺん草/すもうごっこ/指きりげんまん/陣とり/なわとび/てんと虫とばし…
「ほたるの唄ー夏の遊び」 河原の魚とり/ホタルがり/七夕の提灯/鬼ごっこ天国/じゃんけんうた…
「風とねこじゃらし―秋の遊び」 ゴムひもとび/じゃんけんグリコ/あやしきカゲふみ/兵隊ごっこ戦争ごっこ…
「つららと霜やけー冬の遊び」 ガラス玉のおはじき/あやとり糸とり/タコタコあがれ/雪あそび/窓辺のゆげ絵あそび…

本人による「あとがき」「新あとがき」付き。

※文庫版には、「月刊文藝春秋・巻頭随筆エッセイ」(2014.7月号)を追加。また巻頭に〈子供の季節の遊び〉を描いた貴重なカット絵を中心とした16pのカラーページを挿入。

※文庫解説・辻惟雄(美術史家)

内容説明

幼いころ駆け回った、故郷福井の野山。蕗の薹を見つけて春の訪れを知り、夏になれば笹の枝を手折ってホタルがり。鬼ごっこや影ふみは自分たちでルールを変えてスリル満点!飽きずにくり返し遊んだ。自身の子ども時代の「遊びの記憶」をたどった名エッセイ。文庫版には貴重なカット満載のカラーページを増補。

目次

ささ舟さらさら―春の遊び(草のうた花のしらべ;練兵場のタンポポ ほか)
ほたるの唄―夏の遊び(夏草原の大立まわり;河原の魚とり ほか)
風とねこじゃらし―秋の遊び(緋いろ妖しきひがん花;誰そかけし草のわな ほか)
つららと霜やけ―冬の遊び(たそがれの祈りと願い;ガラス玉のおはじき ほか)

著者等紹介

かこさとし[カコサトシ]
絵本作家、児童文化研究者。1926年現在の福井県越前市に生まれる。東京大学工学部応用化学科卒。工学博士。技術士(化学)。大学卒業後は民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動に従事。子ども会で紙芝居や幻灯などの作品を作り、1959年『だむのおじさんたち』で絵本作家の道へ。1975年に『遊びの四季』で久留島武彦文化賞、日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2008年菊池寛賞、2009年日本化学会より特別功労賞、2017年巖谷小波文芸賞受賞。2013年福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館『〓(らく)』」が開館した。2018年5月2日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

76
だるまちゃんの絵本作家、かこさとしさんが、子供の頃の遊びを紹介する。私もやっていた遊びがいくつもある。何の道具もなくても、自然の中にある草や土や光や、自分の手や足さえも、遊び道具となった。かこさんの優しい絵とともに懐かしさが込み上げてくる。今の時代、何でもあるようで失ってしまったものも一杯あるんだなぁと思った。でも読みながらNetflixドラマ「イカゲーム」を思い出していた。全く方向性は違うけど、あのドラマも懐かしい遊びと失ったものを描いていたなぁ。2021/10/26

へくとぱすかる

60
たとえば「ささぶね」といっても、その作り方をどれほどの人が知っているのだろう。エノコログサのてんぐとか、イタドリを使ったままごととか。実はわたしも全然知らなかった。自然の中の遊びとか、今ではおそらく、年配の人の記憶にしか残っていそうにない。注意すべきは、著者は昔がよかったと言っていない点。大人の気づかない子どもの力について書きたかったということだ。2018年。著者は2月に復刊のための「新あとがき」を書き、5月に92歳の生涯を閉じている。福井の武生で過ごした、子どものころの素朴な遊びを書き残した貴重な記録。2022/06/22

雲をみるひと

27
戦前、戦中の子供達の遊びが季節毎に纏められた本。自身の体験がベースになっていることから偏りはあるかもしれないが、作者も含め当時を知る人達の多くが物故された今となっては希少性は高いと思う。戦前の自然環境や子供達の工夫が窺える。2022/07/06

遠い日

14
伝承遊びの記録としてもだいじなものだと思います。昔の遊びは年かさの子に教えてもらうのが普通でした。わたしも缶ぽっくりや竹馬などは父に作ってもらったものですが、遊び自体は子どもだけでしていたように思います。わたしのしてこなかった遊びもいろいろあって興味深く読みました。かこさとしさんの挿絵も豊富で楽しい一冊。2021/07/27

ひでお

9
かこさとしさんが、故郷の武生を始め、全国の子供の遊びを採取した、こどもの遊び論。なぜその遊びが楽しいのか、子どもの視点そのものから考察されています。昔はこうだった、という郷愁の文章でないところがかこさんらしい。本当に子供たちを想っていたのだなあと、改めて思いました。2022/05/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17732869
  • ご注意事項