内容説明
田舎町の教会。牧師の息子、十二歳の早乙女輝は四肢を潰された蛙の断末魔を観察していた。蛙は痛みを感じているのか、絶望に慄いているのか?早乙女はどうしてもそれを知りたかった。彼が信じた神へと続く道は、やがて恐るべき悲劇へと彼を導いていく。“沈黙する神”の声を求め荒野を彷徨う魂の叙事詩。
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
昭和43(1968)年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。平成5(1993)年に、第4回鮎川哲也賞の最終候補作となった『慟哭』で作家デビュー。22(2010)年に『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞を、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
37
教会を舞台に繰り広げられる殺人劇。初めは現実離れしていて物語に入り込むことができなくて、貫井作品にしては読了に時間がかかった。宗教、信仰について考えさせられた。2021/05/08
JILLmama
31
貫井ワールドですね。のっけから暗ーい。 サイコパスな息子と寡黙な牧師の父と閉鎖的な家庭。淡々と物語が進み、なんとも言えない読了感。 好みが分かれそうですが、わたしは好き。2021/05/20
さち@毎日に感謝♪
21
キリスト教を通して神とは何かを考えている早乙女の心情が描かれていて、神について考えれば考えるほど早乙女が闇に堕ちていくようでした。信仰って何だろう…と考えさせられる作品でした。2021/05/11
carl
20
30年位に渡るキリスト教サイコパス親子の話。面白かった。 盛り上がりは当然あるけど盛り上がってない感じで淡々と 話は進んで読了。宗教がらみなので・・・ 色々考えさせられました。2021/08/05
ドットジェピー
8
好き嫌いが別れそうなストーリーだと思います2021/05/21