出版社内容情報
将来を期待された放送局を辞めた武田は、自転車の輸入販売を始めたが失敗。後がないなか、スーパー向けの販路開拓に奔走するが……。
内容説明
放送局のエース営業マン・武田光司は、周囲の反対を押し切って退職、自転車の輸入販売を始めた。商習慣の違いで失敗し、信頼する部下や取引先にも裏切られ、幾度も会社存続の危機に。家族や仲間、先輩経営者に支えられ、急成長するスーパーマーケットでの販売に活路を見出すが…。見果てぬ夢を追う男の物語。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939年東京生まれ。化学専門紙記者、編集長を経て、75年に「虚構の城」で作家デビュー。経済界全般にわたり、綿密な取材に基づき、話題作の数々を発表する。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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となりのトウシロウ
60
ホダカ創業者の武田光司のノンフィクション小説。ラジオ局の記者からピカイチの営業マンを経て独立し自転車販売を始める。武田の魅力が堪らない。気のおけない性格で自らを曝け出し、自分を飾らない。取引先や従業員にも誠実に相対する。そんな性格だから上からも引っ張られ、仲間からも信頼される。人を惹きつける魅力がいっぱい。事業での失敗や目をかけた人に裏切られる。それでも頑張る姿が胸をうつ。社員の結婚記念日に送る手紙の冒頭の文章「家庭の基本は、夫婦間の愛情で、子供にかまけて、この初心を忘れないように」素晴らしい!!2024/10/12
まつうら
34
ダイエー中内功が流通革命を起こしていたころ、自転車業界では販売チャネルを専門店から量販店に切り替わる動きがあった。ホダカを創業した武田光司はこの波に乗り、イトーヨーカドーと組んでどんどん自転車ビジネスを拡大していく。これを時代がよかったから成功したと見る向きがあるが、そう単純なものではない。流通各社がバブル崩壊で苦しんだのに対し、武田は堅実経営で資産を厚くし、その範囲内で投資を行っていった。なので失敗もあったが会社が傾くことはない。立派な経営者だったが、2001年に夭折してしまったことがとても残念だ。2022/07/15
コロンボ
6
もともとは「勇気凛々」、改題の上、加筆修正された作品。放送局の営業マン武田は、周囲から慰留されるも退職、心機一転、以前から興味を持っていた自ら「起業」を目指し、実現し、成長していく一人の男の物語。今も実際にある自転車中小企業メーカーのホダカの創業から業績拡大に向けた20年を描いたノンフィクション。事業立ち上げ、継続していくことの大変さが描かれると共に、主人公武田の人柄に惚れ込んだ仲間たち。ただビジネスなので当然ながら失敗や艱難辛苦の時もあるが、そのチャレンジに勇気凛々という気持ちにさせてもらえる話。2021/08/15
かずぺん
6
男の仕事を感じさせて貰った気がします。感動しました。2021/04/26
shonborism
4
自転車メーカーのホダカ創業者の伝記。マスコミからの転身だったとは。当時は良い時代だったと言ってしまえばそれまでだけれど、武田氏の才能と手腕が会社を大きくさせたのだろう。小説作品としては起業前から会社が大きくなるまでが見所だろうか。2021/02/11