文春文庫<br> 13・67〈上〉

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文春文庫
13・67〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 364p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167915698
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0197

内容説明

香港警察の「名探偵」と呼ばれた伝説の刑事クワン。2013年、末期がんで余命僅かな彼のもとに、難事件の捜査で行き詰まったかつての部下であるローがやってくる。クワンが最後の力を振り絞り提案した前代未聞の捜査方法とは―。戦後香港の現代史と一人の警察官人生を重ねながら、権力者と民衆の相克を描く華文ミステリーの傑作。

著者等紹介

陳浩基[チンコウキ]
1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2009年「藍〓子的密室(青髭公の密室)」で第7回台湾推理作家協会賞を受賞。2011年に『遺忘・刑警』で第2回島田荘司推理小説賞を受賞、2012年に『世界を売った男』のタイトルで、文藝春秋から邦訳版が刊行。2014年、『13・67』が刊行と同時に大きな話題を呼び、2017年に邦訳版が出ると週刊文春ミステリーベスト10、本格ミステリ・ベスト10で第1位を獲得するなどランキングを席巻する

天野健太郎[アマノケンタロウ]
1971年愛知県三河生まれ。京都府立大学文学部国中文専攻卒。2000年より国立台湾師範大学国語中心へ留学。帰国後は台湾専門翻訳・通訳。2018年11月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k5

74
『世界を売った男』がおもしろかったので。クワン元警視は天才的な捜査官だったが、末期の肝臓がんで脳波計を介してしか推理を伝えられないという、これまたSFチックな世界観なんですが、わりとオーソドックスで丁寧な謎解きで読みやすいです。だんだん時代が遡って、上巻は香港返還の日まで。下巻にはどんな仕掛けがあるか、わくわくしながら読み進みます。2021/07/19

owarai

64
ゴリゴリですよ、ゴリゴリ。筋金入りで、エネルギッシュ。緻密で、本格的。毛色が異なる3つの短編は、どれもメインディッシュ級の濃厚なミステリー。香港警察の天眼と呼ばれた刑事の人生を巡る逆年代記は、連作を読み進める程に、全体を通じて、社会派ミステリーとしての印影が浮かびあがる。どの紹介サイトを見ても、本作の批評は、こんな風に好意的。名だたる方々が、ゴリゴリ推すこの小説。半信半疑で上巻読んだ私も、アタリかもと思える納得の出来。後半を読んで、こりゃやられたわ!と言えるかどうか。ドチャクソ期待して進みます!2020/09/11

ざるこ

61
3篇。はじめの「黒と白のあいだの真実」があまり好みではなかった。YES・NOのからくりも予想がついたし。でもそれはクワンの人となりを深く知りえなかったからかも。「任侠のジレンマ」「クワンのいちばん長い日」凶悪犯罪に立ち向かう香港警察。見事な推理で解決へと導くクワン。事件発生からすごいスピードで物語は展開。幾重にも重なる謎と真相。練りに練られていて毎ページ濃すぎて圧倒される。きっと最後にまた1話目に戻った時、初読み時と違ってクワンの最期が胸にくることになりそう。時代を遡る構成だけど過去に大きな事件が?下巻!2020/09/24

おたま

55
他の華文ミステリーのレビューを書いた折に紹介していただいた小説。本格ミステリーと社会派ミステリーを統合したようなものだということだが、上を読んだ限りでは本格の趣が勝っている。さらにこの「13・67」という題名は、2013年の香港から6編の短編で1967年の香港まで遡っていくことを指している。主人公となるのは「天眼」とも呼ばれる、推理力の鋭いクワンという警察官。香港で起きた重要な出来事を背景に、その時々の難事件を解決していく。難を言えば、あまりにも切れすぎて、もう少し「推理」の中身を読みたい。詳しくは下で。2022/04/18

うまる

36
伝説の刑事クワンの警察官人生と香港社会の変化を振り返りながら進むミステリ中篇、3話収録。どれも真相が複雑な構造になっていて完成度が高くとても面白かったです。シリーズものの傑作選じゃないの?っていうくらいの出来だし、長編でもいけるネタをおしげもなく凝縮しているのが凄い。多層に折り重なった謎が紐解かれていくのは快感でした。 クワンの考察力・推理力には脱帽でほんとに尊敬しますが、こんなん上司だったらついていけないわ~。だからそんな天才の元で成長したローも凄いと思う。 下巻も楽しみです♪2021/06/12

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