内容説明
三年余にわたる流浪の旅の果て、坂崎磐音とおこんが、江戸に戻ってきた。田沼一派の警戒を潜り抜け、かつて暮らした小梅村に辿り着いた磐音たちを待ち受けていたのは、今津屋が用意した予期せぬ再会の場だった。万感の思いに浸る磐音。だが、殺意をまとった忍び集団が密かに迫っていた…。田沼意次と新たな闘いが始まる!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
82
決定版 ・居眠り磐音「東雲ノ空」38巻。ようやく江戸小梅村に今津屋が用意した尚武館道場に帰ってきましたね。あちらこちらに帰着挨拶廻り、田沼意次襲撃はありましたが、どちらも挨拶程度これからが本格的な戦いが始まりますね。2021/02/14
KAZOO
81
この巻では、主人公たち一行が名古屋経由で姥捨ての郷から江戸に帰ってくる様子が描かれています。田沼の裏をかいて江戸に入る場面が面白く描かれています。また自分の以前住んでいた場所に主人公の援助者によって道場も用意されています。しかしながら、田沼の追求の手がゆるめられることはなく忍びの集団が襲いかかってきます。2020/12/26
優希
46
巌音さま、3年ぶりに江戸に戻ります。田沼一族は警戒するのは当然だと思います。旅に終止符を打ち、両国橋に現れる巌音さまの心には熱い思いがあったのでしょうね。新たな戦いの熱風を感じました。2023/08/27
yamatoshiuruhashi
36
磐音一統、江戸に帰着。新展開へ。しかし、ここで江戸に戻れるのであれば何故江戸から退避する必要があったのだろうか。江戸脱出の時と比べて、敵がどれだけ削がれて、味方がどれだけ増えたのか。空也が生まれたが当然戦力にはならない。高野山、雑賀衆、紀伊、尾張との縁。雌伏し飛雄の時を待つにしては「時」を読み取れず。と、考えるのが野暮天で、素直に楽しめばよろしいか。相変わらずに時代背景の描写は面白い。2020/09/15
うららん
11
表紙はついに江戸に戻り空也に江戸城を教える磐音とおこん。やはり江戸はいい。懐かしい皆との再会に温かい気持ちになった。そして閑職につかされていた速水左近が江戸に戻ってくる。次作も楽しみ。2023/09/01