出版社内容情報
暮れ方、峠を急ぐゼンの前に二人組の賊が現れた。命か金か、そう嘯く男は手練れとは見えなかったが、用心棒らしい連れの侍は凄まじい殺気を放つ剣の使い手であった。かろうじてその刃を逃れたゼンは、もう一度、男と手合わせをしたいと望む。
男の名は、キクラといった。都の道場でも抜きん出た腕前で、将来を嘱望されていた。だが道場主の娘との縁談を断ったため、仕官の道も閉ざされ、挙句、殺しの濡れ衣を着せられ命を狙われていた。
内容説明
暮れ方、峠を急ぐゼンの前に二人組の賊が現れた。命か金か、そう迫る男は手練れとは見えなかったが、用心棒らしい連れの侍は凄まじい殺気を放つ剣の使い手であった。かろうじてその刃を逃れたゼンは、もう一度、男と手合わせをしたいと望む。男の名は、キクラといった。都の道場でも抜きん出た腕前で、将来を嘱望されていた。だが道場主の娘との縁談を断ったため、仕官の道も閉ざされ、挙句、殺しの濡れ衣を着せられ命を狙われていた。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
工学博士。1996年、「すべてがFになる」で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソラ
12
最初はただ何となく山を下りてというところで進んできたが、今作でなんとなくゼンの進む道が決まって来たのかなぁという印象。2021/08/14
みどり
3
普通に、ゼンの進む道が見えてきたような気がする。 次でラストだと思うと「先が読めない森博嗣」の永遠に解決しない物語として終わりそう。 ただし、「日本の心の美しさ」は「雰囲気」としては伝わっている。 2021/07/24
あおそら
2
死ななければいけなかったのかな。切らなければいけなかったのかな。ゼンと一緒に私の頭の中もぐるぐる。それにしても文章がとても綺麗だ。ため息が出ます。2022/04/16
OIRA
2
「ヴォイド・シェイパ」シリーズ第4弾。霧の隠匿者。日本の話の、そのタイトルが英語なので、英語に弱い私は、いちいち辞書で調べる。そして、わかったような気になるが、実は、全くわかっていない。剣は俊足なり…しかし、遅い方が強い剣も…わからない。わからないが、実におもしろい。シリーズ全5巻なら、次でラスト…。楽しみに待つ。2021/09/14
ぷりん
1
死とは何か? 侍が人を斬ってもよしとされるのは何故か? 人を斬ってはならないと思う。だから理由をつけようとするのか。 なぜ強くなりたいのか? 強さとは何か? その価値は何か? では、生きることの価値とは? みんな同じではない。それぞれが自分の命を持っている。なにかを楽しみにして、生きている。それぞれの考えで「良い」と決めた生き方をしている。それでいいのでは?2021/08/03