内容説明
盟友たちを亡くし失意の孔明は、南蛮の王・孟獲を七度破って七度許し、南方の物資を確保したのち、「泣き」の集大成、「出師の表」を劉禅に奉じる。いよいよ北伐に乗り出した蜀と魏が五丈原で対陣するとき、孔明最後の奇策が炸裂する!いまだかつてない孔明像を書き上げ大反響の酒見版「三国志」ここに堂々完結!
著者等紹介
酒見賢一[サケミケンイチ]
福岡県生まれ。愛知大学卒業。1989(平成元)年「後宮小説」で第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。92年「墨攻」他で中島敦記念賞を、2000年「周公旦」で、新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hanchyan@大丈夫大丈夫 立てなおそ立てなおそ
38
♪俺と〜お前は〜まるでなつかしい〜ともだちさ〜初めて出会った筈なのに〜筈なのに〜〜♪ というわけで。や~。遂に完結っすよ〜。起こってしまった(であろう)史実って、歴史の授業なんかを通じて多くの人々が一般教養として知ってはいる。その、ある意味ネタバレ状態で読むミステリのような物語が、何故にこれほど面白いのか。もちろん「三国志」という物語の、体幹や膂力の強靭さがあればこそなんだろうけど、やはり、縦横無尽にして変幻自在、自由闊達にして天衣無縫な語り口、その魅力に尽きるだろう。それはそれはもうめっっさ面白かった。2023/09/08
どぶねずみ
31
いよいよ孔明の時代。とはいえ、孔明の晩年は苦労ばかり。孔明は優秀な文官だったはずが、軍師として働いたのは後継者なるものが不在だったからであり、孔明には不運でしかなかっただろう。常に宇宙を意識していたのは、宇宙より大なるものはなし、宇宙を制すれば勝利を得ることができようと思っていたのか? 軍に七禁「軽、慢、盗、欺、背、乱、誤」は、現代でも肝に命じておきたいところ。孔明のような賢い人物に出会えたら、全身が震えるほどの運命を感じるんだろうな。孔明からたくさん学ばさせてもらった。さて、次は曹操にいってみよう。2020/09/15
ほうすう
11
諸葛亮の南征・北伐を描く第五巻。普通の三国志ものとしては面白いとは思う。ただ良くも悪くも普通というか…、第一巻から三巻辺りまで感じられた本作特有の痛快軽妙さは薄れてしまった感がある。やはり孔明も偉くなってしまうとはっちゃけにくいか。なんといっても劉備あっての諸葛亮だったのかな…。孔明の孤軍奮闘はおみごとなれど全体的に諦観や寂寥感を覚える最終巻であった。2020/12/31
Mzo
10
面白かったが、やはり第三部くらいまでのぶっ飛んだ感じはないよね。あの大宴会やら劉備軍団の掛け合いやらがないのは寂しい。これだけ破天荒な諸葛孔明を描いた作品なのに、最後はやはりしんみりしてしまいますね。またそのうち再読しよう。2021/01/06
らくだ
4
いよいよ最終巻。どの三国志でも劉備や曹操が死んだ後はなんか物足りない感がある。本作でもその感は否めないです。劉備とのふざけた掛け合いがないのは寂しい。 2020/10/17