出版社内容情報
尚武館を追われ、小梅村で暮らす佐々木磐音とおこん。田沼一派の厳しい監視の眼がつきまとう。案じる人々も近づくこともできず……。
内容説明
尚武館を追われ、小梅村にある今津屋の御寮でひっそりと暮らす佐々木磐音とおこん。だが、ここにも田沼一派の厳しい監視の眼がつきまとう。金兵衛ら、二人を案じる江戸の人々は近づくことすらできない日々が続いていた。身重のおこんをなによりも案じる磐音は、ある決意を胸に秘め、養父・玲圓らの隠し墓を参るのだが…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
86
今回は、次期将軍とみなされていた人物が暗殺されそれに伴い義父母の自裁があったのちのことで、道場も閉鎖され主人公は義父母の遺骸と道場の看板を持ち江戸を離れることになります。妻は身重でさらに2人の助けがつきますがしばらくは忍苦のときが続くのでしょう。田沼の追ってもついてくるということで楽しませてくれます。2020/11/24
とし
83
決定版・居眠り磐音「孤愁ノ春」33巻。義父、義母の埋葬を終え江戸を離れる磐音とおこん、いよいよ田沼意次との対決が本格化する旅の始まり、今津屋、佐々木道場の門弟、おこんの父、小田平助、品川柳次郎、武左衛門等江戸に居る人々の近況話題も伝えられた、緊迫感とほっと一息良いですね。2020/12/20
yamatoshiuruhashi
34
磐音は江戸を離れた。なぜ一介の武芸者に田沼意次はこれほど恐怖するのか。なぜに「佐々木」を根絶やしにせむとするのか。説明はなされる。ただ考え詰めるとちょっと弱いような動機のような気もするが、それほど武芸者、武士の表芸を追求するものは武士の世の幕府にとって重要なものだったということに、何はさておき前提とすることで話に深みが出るというものだろう。妊娠した妻とあてのない旅をするのは辛いことだろうが、そこに舞台を替えた面白さをまた生み出してくる。2020/07/15
うららん
13
尚武館を追われ田沼一派の追っ手を逃れる旅へでた磐音とおこん。霧子と弥助も加わり頼もしい。2022/06/01
ks3265
5
家基が暗殺され、磐音の身に危険がせまり、ついに江戸脱出この数か月は急転直下の話の進み方。家基の死におこうの懐妊、つながりを感じてします。どこまでの逃避行が不明だけど、追っ手もはやいが助けてくれるひとも意外と多い。弥助と霧子がついていれば大丈夫だと思う。今後の展開が気になる。2020/09/11
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