内容説明
町に不吉な事件が頻発しはじめた。相次ぐ不審な死、そして甦る死者。ベンと仲間たちは丘の上の屋敷に潜む謎に迫るが、忌まわしいものの魔手が彼らに…。静かに降り積もってきた恐怖がついに怒涛となって爆発する!これぞ恐怖の帝王の本領発揮。歴史にその名を刻む名作、読む者の呼吸を奪うクライマックスへ。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン] [King,Stephen]
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。高校教師を経て、1974年『キャリー』で作家デビュー。『呪われた町』『シャイニング』で一躍「モダン・ホラー」の巨匠となる。初のミステリー作品である『ミスター・メルセデス』でエドガー賞最優秀長編賞を受賞
永井淳[ナガイジュン]
1935年、秋田県生まれ。埼玉大学文理学部卒業。英米文学翻訳家。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
80
捕食者に抱いたであろう原初の隠れた記憶や、疫病といったいわゆる現代に於ては解明された危険など人間の抱く恐怖の源泉は自分たちの存在を脅かすものと考えられるが、思うに恐怖小説の真骨頂はそうした知識としてさらけだされた事柄ではなくいまにいたるも人間の抱え込んだ心の闇、悪意の存在をさらけだすことにあるのかもしれない。そこでは吸血鬼が恐怖の源にあるわけではなく、文中でも語られるごとく大文字で始まる“悪”が問題なのだ。そして象徴的なことに伝統的な吸血鬼はアメリカンな大量生産の吸血集団にバトンタッチされる。2020/10/09
特盛
17
評価3.4/5。スティーブンキングを一冊通読したのは初めてかもしれない。今回の話は著者初めての長編で、テーマは吸血鬼に乗っ取られる街だ。吸血鬼って正直怖いか?ってくらい正直古臭く感じるんだけど、料理の仕方は流石。対決に向かうシーンは文字通り手に汗握る。日本のホラーの主役は幽霊(=元人間、怒ってることや恨んでる内容が理解可能)が多いけど、海外のホラーは元人間じゃない、そもそもに理解の壁がある存在なのが一つの魅力かもしれないなと改めて。2024/04/01
春ドーナツ
14
スノードームが「文鎮」、クローゼットが「押入」と翻訳されている。1977年に日本語版が刊行されたのだけれど、半世紀が過ぎるごとに改訳していただけれるとありがたいなあと思う。解説によると「カーラの狼」にはベンとマークの「その後」も描かれていたらしい。え。読み落としていた。ドン・キャラハンがローランドたちに語るセイラムズ・ロットにおける壮絶な過去は、本書をコピペしたかのように、まざまざと私の中でよみがえってきた。裏表紙の梗概に「読む者の呼吸を奪うクライマックス」とあって、確かにひえーハラハラドキドキしました。2022/11/06
Foufou
13
読むのが苦痛、という本が時々あります。ファンの方には申し訳ない。キリスト教にはひとかたならぬ興味がございますし、悪魔なんてのは学生時分の研究対象だったくらい。この手のミステリーでは、登場人物の凡ミスというのがありがちで。本作も御多分に洩れず。夜行くなよ、十字架持ってけよ……などなど。最後の解決法なんて、読者はとうから思いついてる。ただ、書き方かな……。あと、まぁ、敵の弱点なんて恣意的だから、書き手がそう書けば、ハイハイそうなんですね、と受け入れるほかなく。近々映画が公開されるなんて、知りませんでした。2022/11/04
ぬぬよよ
12
全体を通して漂う不穏な空気。淡々と進む物語。ホラーです。2020/10/12