出版社内容情報
鵜飼百助を訪ねた帰り道、両国橋に差し掛かった磐音は妖気に包まれ、襲撃を受ける。家基に加え、おこんまでもが魔の手にかかり……。
内容説明
小正月を迎えた江戸。佐々木磐音は鵜飼百助のもとを訪ね、愛刀の備前包平を研ぎに出す。その帰り道、両国橋に差し掛かった磐音と小田平助は、妖しい気を放つ靄に包まれる。姿を現した丸目歌女は、磐音にあることを言い放ち、姿を消すのだが…。家基の命を狙う勢力がその牙を露わに襲い来る。魔の手が、次に伸ばされるのは!?
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
101
決定版もいよいよ田沼の攻撃により主人公たちもこれから厳しい対応を迫られることになる序章です。この決定版シリーズもうすでに10冊以上の積読になっているのですが読み切れなく遅れ気味です。主人公の妻がかどわかされたりあるいは佐々木道場の元弟子の子息が探りに来てたりと事件のタネがどんどん続きます。また磐音の弟子の一人が福岡での活躍の様子もうかがえます。2020/11/13
とし
80
決定版・居眠り磐音「更衣ノ鷹 上」31巻 。おこんさん誘拐され、遂に田沼意次の魔の手が表立って動き出し暗い巻ですが、廻国武者修行中の松平辰平さんの福岡入りの話題が入りホットさせられます。2020/10/27
yamatoshiuruhashi
34
田沼老中一派は敵意を露わにしてくる。ついには「おこん」がかどわかされてしまった…。何のためにおこんを誘拐し、それなのに何故奪還されてしまう程度の監視しかしていないのか?妖術も入り乱れてなかなか理解しにくいところもあるが、剣豪小説としては面白い。2020/06/16
紅葉
16
田沼親子の陰謀の魔の手が、いよいよ家基様に露骨に忍び寄ってきました。 鷹狩りの際も磐音が忍んで護衛していなければ、あわやというところ。再び姿を現した歌女の今後の動向も気になります。小田平助は本当に心強い味方。後半さらにおこんが拐かされるという事態まで。身近な人間が狙われると、さすがの磐音も弱いですね。おこんの父金兵衛さんがあんなに良い男だったとは知らなかった。逆に磐音を労わる姿に涙してしまいました。そしておこん救出に今までの人脈が大いに役に立ちます。おこんの心身は大丈夫でしょうか。。気になる下巻へ。2020/11/22
うららん
15
いよいよ田沼意次の手が磐音へ。闇の敵らの正体が明らかになり…おこんが拐われる。小田平助が仲間となって本当に心強い。一時ホッとしたところで上巻が終わるが下巻も怒涛の展開になりそうな予感。2022/04/13